彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「こいつら・・・元赤中の奴らばっかりで構成されてる『羅漢』ってチームの庄倉の配下だよ。」



そう語る高千穂さんの顔は、心底嫌そうにしていた。



「赤崎中学って・・・・黒崎中学とかと並んでヤンキー四大中学って言われてる、あの?」


私も、彼女が言う中学校の名前を聞いたことがあった。


黒崎中学と、赤崎中学、城崎(しろさき)中学、青崎中学の4校を合わせて『ヤンキー4大中学』とこの辺りでは呼ばれている。

危険で、危なくて、乱暴で・・・とにかく、良いうわさはないの。



(ということは、さっき私が手を出したのは元赤中の不良だったんだ・・・)



まずかったかな~と思う半面、顔が隠してるのでまぁいいかと思う気持ちが半分。


〔★楽観的だ★〕



「つまり、あなた方は・・・・赤崎中学の人達と争ってるの?」

「そうだよ。少し前まで赤中の頭だったのが庄倉愛雄(しょうくら まなお)って奴とな。赤中連中のみで結成してる暴走族集団の『羅漢』トップだ。」

「えっ!?君達、暴走族と喧嘩してるの!?」

「バーロー!あんなのはクソ野郎だ!あんたも知ってると思うけど、今あたし等は、そいつらとデスマッチレースをしてんだよ。」

「え?いや、知らないんですけど。」


知ってる風に話を振られ、反射的に知らないと答えるが・・・。




「ふふふ・・・そうだろうね。どいつもこいつも目の色変えて、襲ってきてさ・・・笑っちまうぜ。」



私の声が届いてないらしい少女は、私が知っているものだと思って話を続ける。



「奴らもそうだけど、あたし等自身の不甲斐なさに笑っちゃうよ・・・!このデス・マッチレースに残ってるのは、もうあたしらと庄倉一派だけとは情けないね・・・。あんたもそう思うだろう?」

「だからそう言われても・・・デス・マッチレース事態を知らないので何とも・・・。もしかして、勝ち抜き戦てやつのことですか?」



考えられる限りの可能性を聞けば、彼女は興味をなくした風に告げる。



「まぁいいさ・・・いつまでもめげてらんない。決着をつけるべき時はきた。」

「あの・・・」



そう語る高千穂さんが、私の質問に答える気配はない。

代わりに、自分の言いたいことは言い切った。




「予定では、勝ち残った奴らがそこでバトルロワイヤルになるって話だったけど・・・庄倉め!卑怯な真似で、他の候補者達を消しやがった!ヤンキーの風上にも置けない!!」

「いやいや、高千穂さん。感情的になってるのはわかりますが、まずは私の話を聞い・・・」

「カンナでいいよ!・・・あんたのこと、気に入った!あんたになら――――――・・・・・うぐっ・・・!?」


「た、高千穂さん?」




私の質問に答えることなく、少女の体が崩れ落ちる。





「高千穂さん!?」





とっさに、その体を抱き留める。






「く・・・苦しい・・・」






そう告げる顔は青い。