彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


私がバイクの練習する時は、必ず誰かがついてきてくれた。

でも、今日は私一人だけ。





(そういうところも、甘えだったんだよね・・・)





もっと、気を引きしめて練習しなきゃ、2人乗りは完全クリアできない!


側に誰かがいる甘え。



それがよくなかった!







(だから、『瑞希お兄ちゃんを後ろに乗せなければ、単車の操縦は合格』なんていうジャッジを受けなくてすんだのよ!!)






あの後・・・抗議したけど、生真面目で神経質そうな獅子島さんは、その判断を変えなかった。






「人間、いい点だけ伸ばせばいいと言うが、逆を言えば、悪い点を目立たないようにする努力も必要だ。」

「つ、つまりどういう意味ですか、獅子島さん!?」

「瑞希さえ、後ろに乗せなければ、お前の欠点は誰にもわからないということだ。4代目総長?」

「そんな欠点嫌だぁぁぁーーーー!!」

「苦情は自分に言え。別に、二人乗り自体ができないわけないからいいだろう?」

「そうよねーあたし達は乗せても、平気なのにねぇ~?」

「わはははは!潜在意識で嫌われてんのかもな、瑞希ー!?」

「えっ!?俺、嫌われてんのか!?凛!?」

「えええ!?悪質な誤解です!大好きだから違いますっ!!」

「じゃあ・・・原因は別にありそうだな・・・まぁ、元気出せよ、凛たん。」





タバコをふかしながら、ポンと烈司さんが私の頭を撫でる。




「バイク乗れるようになったから、それでよしとしな。瑞希を乗せる乗せないは、これからでいいだろう?」

「でも・・・」

「先進まないと、いつまでたっても、オメーの総長デビューができないからな?」

「・・・はい・・・。」





両親よりも優しい口調で言い聞かせる烈司さんに、私は何も言えなくなった。












「・・・・そうは言われたものの。」




このまま、じっとなんてしていられない。

だから、1人でこっそりとこの場にやって来た。