「ふー・・・まったく。スタートからエンディングまで、お祭り騒ぎだな。」
「獅子島さん!」
「試験は終了だ。これまでの成績をトータルで評価すれば・・・・凛道蓮。」
「は、はい!」
(ヤバいよ!瑞希お兄ちゃんを犠牲にしちゃったわけだから、絶対不合格で、怒られちゃうよ~!!)
「お前のバイク試験は・・・合格、と。」
「なんで!!?」
帰ってきた答えは、想定外すぎるもの。
「な、なんで合格なんですか、獅子島さん!?僕、瑞希お兄ちゃんを乗せられなかったじゃないですか!?」
当然わき起こる疑問。
合否を出した相手にそれをぶつける。
これに1人冷静な獅子島さんは、書き込む動作を続けながら言った。
「簡単だ。瑞希を乗せなければ問題ない。」
「え!?そ、それってつまりー・・・!?」
考えたくない事実が頭に浮かぶ。
「瑞希お兄ちゃんを、後ろに乗せられない・・・!?」
「当たり前だ。バカ者。」
「そ、そんな!!」
(それじゃあ、瑞希お兄ちゃんとのスキンシップが1つ減るじゃなーい!?)
「あんまりですよー獅子島さん!そんなの嫌です!?」
「じゃあ、お前は、また瑞希をあんな状態にしたいのか?」
「えっ?」
そう尋ねる獅子島さんが指さした先には-----
「瑞希!生きてるか~?」
「みーちゃん、擦り傷できたわね~お医者さんに連れて行こうか?」
「わははは!寝てれば治るだろう!?」
「うう・・・黙ってろテメーら・・・!」
ズタボロの瑞希お兄ちゃんと、その周りで彼を介抱(?)する先輩方がいた。
「・・・・!」
(こ、これは・・・!!)
「誰のせいで、瑞希はあんな哀れな姿になったんだろうな、凛道?」
「そ、それは!」
「もう一度聞く。真田瑞希を後ろに乗せなければ、バイクに試験合格だという事実に、異議はあるか、凛道?」
「あ・・・・ありません・・・・!」
(ち、ちくしょー・・・・!)
力なくうなだれて、顔を下に向ける。
「ならばよし。試験はこれにて終了。」
「うう・・・・!」
それをYesと受け取ったのか、獅子島さんは終了の合図を出す。
何とも後味の悪い形で、私はバイク技術に関する合格をもらった。


