彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「お前ら、2ケツで飛んだそうだな。」

「「え?」」

「凛道と瑞希は・・・・バイクの二人乗りができないんだろう?」

「「うっ。」」





その問いかけに、反論できない私と瑞希お兄ちゃん。





「俺は他の連中と違い、あまり稽古に付き合っていなかったが・・・・いまだに、二人乗りは出来ないのか、凛道?」

「そ、それは・・・!」





唯一、私のことを凛道と呼ぶお兄さん。







「『備えあれば、憂いなし』ということわざもある・・・・2人乗りができれば、卒業させてやろう。」

「そ、卒業・・・!」



(ようするに、まだ完全な合格は出せないってことね?)





ごくりと生唾飲み込めば、それがわかったのか、口元だけで笑う眼鏡。






「ふ・・・せいぜい、瑞希を失望させないことだ。弟分なら、大好きなお兄ちゃんの顔に泥を塗るような真似だけはするなよ・・・?」

「むっ!?も、もちろんですよ!受けて立ちます!!」





あおられたという気持ちもあったけど、いずれは通らなければいけない道。





「よく言った、凛!それでこそ、俺の後継者の4代目だ!」

「瑞希お兄ちゃん!」

「そうと決まれば、俺が最初にオメーのケツに乗っー!!」

「はいはーい!あたしが最初に凛ちゃんの後ろに乗るー!」

「おわっ!?」

「わー瑞希お兄ちゃん!?」





最後まで言い切ることなく、瑞希お兄ちゃんの言葉が遮断される。

代わりに、別の声がその続きをつむいだ。





「モニカちゃんが、一番に乗ってあげるわ~!あたしと凛ちゃんのコラボで、イオリンをぎゃふんと言わしましょー?」

「え?」

「わははははは!女は最後の女に憧れんだろうー!?一番乗りは俺様だ!!」

「えっ?」

「オメーら色物がファーストだと、凛たんが迷惑だぞ。ここは、常識的な俺が乗る。」

「ええ?」

「って!!オメーら、割り込むなぁ~~~~!!!」

「ええええー!?」






その後、誰が私の後ろに最初に乗るかで喧嘩になった。