彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「ふむ、10点満点中10点だ。」

「ありがとうございます、獅子島さん!」

「わははは!マニュアル通り、楽な起こし方したなー凛助!俺様なら、片手一本で持ち上げられっぞ~!?」

「お前と一緒にするんじゃない。生物分類上の哺乳類。」

「人間って言えや、伊織ぃ!!」


「凛道、次は右折と左折だ。」

「はい!」


「無視かよ!?つーか、凛助もスルーしてんじゃねぇー!!」





指示された通り、右へ左へと曲がってみせる。





「ふむ、10点満点中10点。もろもろの操作も含め・・・・1人で乗る分に関しては、合格だな・・・・」

「ありがとうございます、獅子島さん!」





気難しい方からのOKサイン。

ホッと肩の荷がおりる。






「よかったな、凛!」






そんな私の肩を抱きながら、ねぎらってくれた人。






「凛なら、完璧だって信じてたぜ?」

「瑞希お兄ちゃん!」






好きな人からの言葉に、緊張も解ける。





「凛は、えらいえらい!よくできたな~がんばったなぁ~」

「え、えへへへ・・・瑞希お兄ちゃんのおかげですぅ!」





ヘルメット越しでの頭ナデナデ。







「そこまで。」


パシュ!!


「痛ぁ!?」







惚気ていれば、後頭部に痛みが走った。






「気を抜くのは全部終わってからだ。」

「し、獅子島さぁーん?」

「伊織!?なにしやがる!?」






振り向けば、いつの間にか背後に回った眼鏡がいた。

ヘルメットの上から私の頭を叩いたらしい木製ボードで、自分の肩をトントンと叩きながら言う。





「実際は、ノーヘンルで爆走という悪いことをするんだ。頭への注意を怠るな。」

「あ!?そっか、そういう意味で殴ったんですね!?」

「なわけあるか!騙されるな凛!」

「ふむ・・・そういうとらえ方もあるか・・・記録しておこう。」

「お前も!伊織テメー!凛はこれだけできるのに、まだ文句があるってんのか!?」





ボードに挟んでいる紙にペンを走らせる獅子島さんに、瑞希お兄ちゃんが不機嫌そうに言う。

それにメガネの先輩は、文字を書きながらの状態で言った。