彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



急に抱きしめられ、びっくりしたけど嬉しかった。

役得と思いながら、そのまま瑞希お兄ちゃんの腕の中で丸くなる。



(気持ちいいー♪瑞希お兄ちゃん、今日もいい匂いー♪)



こっそり、胸板に顔をすり寄せていれば、背後から大声が上がった。



「ちょっと、みーちゃん!!凛ちゃんの独り占めはしないでよ!」

「あん?」

「モ、モニカちゃん?」



先輩のオネェさんだった。

きー!と言いながら、私の襟首をつかみながら怒鳴る。



「公共物の私的独占は禁止でしょうがー!?」

「凛は公共の物じゃねぇ。つーか、オメーの物でもねぇーんだよ。」



そう言うと、私の首根っこをつかんでいるモニカちゃんの手を、ペチッと叩いて払いのける瑞希お兄ちゃん。



「いったぁ!暴力反対~!」

「オメーがそれを言える立場かよ!?」

「だったら、みーちゃんも同じでしょう!?あんたばっかり、凛ちゃん独り占めしてズルいじゃないのー!凛ちゃーん!」

「え!?」

「モニカちゃんの方にも、おいでー!!」


(うひゃああああああ!?)



そう言いながら、私へと迫ってくるオネェさん。



(やめてぇ!あなたは、俺を男と思ってますが、本当の私は女ですからー!!)



「残念。」



私の心の声に連動するように、オチの言葉を告げる人物。



「え!?」

「きゃ!?」

「お痛がすぎるんだよ!」



私の声とモニカちゃんの声に続く低い声。



「烈司さん!?」

「烈司!」

「ちょっとぉ!?なにすんのよ、れーちゃん!?」



見れば、男前のお兄さんがオネェさんを、後ろから羽交い絞めにしてた。