彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「やめてください、モニカちゃん!喧嘩しないで!」

「大丈夫よ、凛ちゃん!この馬鹿眠らせたら、美味しい物食べに行こうね~?せっかく、バイクの練習お休みだから♪」


私の訴えを、笑顔で却下(きゃっか)するオネェさん。



「烈司さん!烈司さん、やめてください!喧嘩はよくないです!」

「騒ぐなよ、凛たーん?勘兵衛を葬った後は、直ったバイクで出かけようぜ。単車の練習は休憩にして、オメーに似合う正当なヤンキー服を買いに行こうなぁ~?」


私のお願いを、かなえることなくさわやかに言うヘビースモーカー。




「これでトータルで5回も勘兵衛って呼んだな・・・!?地獄へGO~祈れよ・・・!?」

「凛を着せ替えにしやがって・・・お仕置きの覚悟はできてるな・・・!?」


「だから、ダメだってーーーー!!!」




もう止められない。

そう思った時。








「ただいま~!おーい、凛は来てるかぁ~!?」



「瑞希お兄ちゃぁん!!?」

「「瑞希!?」」



「あー!疲れたっ!」





少しくたびれた顔で、大好きな人が帰還した。

瑞希お兄ちゃんの帰宅で、険悪だった2人の空気が緩む。




「み、瑞希お兄ちゃん!」

「お!なーんだ!もう来てたのかぁ~凛・・・」



そこまで言って、瑞希お兄ちゃんの言葉が止まる。




「凛・・・・?」

「はい?」



なぜかお兄ちゃんは、私を見て呆然としてる。





「お、おま、お前、なんでー!?」





口元がプルプル震え、持っていたカバンが瑞希お兄ちゃんの手から落ちる。





「何お前!?ちょっと会わない間に何があった!?」

「えっ!?」





そう叫ぶなり、ドタバタと足音を響かせて接近してきた。