バイクの修理を終え、店へと向かう烈司。
軍手をしていたので、汚れはしなかった。
ただ、着ていたつなぎには、オイルの臭いがしみ込んでいた。
汚れが飛び散った。
連日の酷使(こくし)で、親友のバイクは壊れてしまった。
そろそろ、メンテナンスをしなければいけないと思っていたので、瑞希のバイクを使っていた子供に文句を言うつもりはない。
突然現れた子供。
凛道蓮というお子ちゃま。
華奢(きゃしゃ)なその子を、子供としか烈司は表現できない。
瑞希が気に入っているというわけではないが、烈司も凛が好きではあった。
いろいろ思うところがあって、好ましく思っていた。
だから、凛が自分達の作ったチーム『龍星軍』の総長にふさわしくなるため、バイクの練習をすることも応援した。
それは、烈司以外のメンバーも同じ気持ちで、瑞希を筆頭に熱心に教育している。
「上手いこと、育てばいいが・・・」
そんなことを口にしながら、煙草をくわえる烈司。
瑞希は言うまでもないが、他の仲間も凛を気に入っている。
「れーちゃん、なにしてんの?」
「おう、モニカか。」
ガレージで作業していたら、用事を済ませたモニカが顔をのぞかせる。
「やだぁ~それみーちゃんのバイクじゃない!もしかして、修理してんの!?」
「そういうことだな。」
陽気なオネェに、調整をしていた手を止めて烈司は答えた。
「エンジンがおかしくてな。ただでさえ素人な凛たんに、こんな状態で使わせたら、怪我するからな~」
「やーん!優しい、れーちゃん!そういうところが好きよん!」
「ああ、そうかい。ゾッとするけど、嫌われるよりマシか。」
ニコニコしながらリップサービスする友達に、苦笑いしながら答える烈司。
その反応に、彼女は声をあげて笑う。


