彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




言ったのは、『男・女』という以前に、勝つためなら『人質』という最低の手段しか使えない馬鹿。




「大場・・・!」

「女1人切り捨てられないで、てっぺんを継げるわけがねぇだろう。」

「黙れ、大場!お前らが、卑怯な手を使うからだろう!?」

「カンナ、もういい・・・よせ。」

「よくねぇーだろう!?大河のその怪我だって、庄倉の方から誘ってきた嘘のタイマン話でつくったんだろう!?なにが一対一でケリつけようだ!?誘ったのはテメーらのくせに、行ってみれば、兵隊引き連れてきやがって・・・!」

「うるせぇ!」

「痛っ!?」




抗議するカンナの髪を掴んで数本引き抜くと、そばかすの男は言った。







「世の中、勝ったもんがルールなんだよ。」






小憎らしいくらいムカつく顔で、声で言ってくる。

挑発目的で、カンナの顔の前で、わざわざ抜いた彼女の髪を、見せるように地面へと落としながら大場は告げる。







「テメーらは、俺らに負けた敗者でしかないんだよカンナちゃん。」

「ち・・・・ちくしょう・・・・!」






悔しそうにする女の子に、何もできない子相手に、偉そうに言う態度。








「じゃあ、負けたら?」






だから、聞いてしまった。






「君らが、他の誰かに負けたら、もう勝者じゃないよね?」


「はあ?」



「今―――――――――――――――敗者にしてやるよっ!!!」







あまりのムカムカに、動いてしまった。




「なっ・・・!?」




くそムカつく男の顔に。






「正論吐いててもやりすぎだぁ――――――!!!」







握った私の拳を叩き込んだ。