彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


静かに聞いていれば、モニカちゃんは淡々としゃべる。



「あたしが全然男らしくないから、男らしくなるように格闘技を習わせたの。だけど、もともと女だから、男になんてなれないじゃない?あたしが『女』だってこと、あいつらは認めなかったから・・・」

「・・・今でも、和解できてないんですか・・・?」

「きゃはは!!和解じゃなくて、話が通じてないのよ。」

「話が通じない??」



モニカちゃんの言うことがわからなくて、首をかしげる。

そんな私の姿に、やっと彼女にも笑みが戻る。



「んふふふ~可愛いわぁ~凛ちゃん!そうよねぇ~凛ちゃんぐらいには、わからないかもねぇ~話が通じないってこと。」

「ど、どういうことですか?」

「つまりね、あいつらはあたしを『男』としてしか見てないの。タツノオトシゴじゃないから、男から女に変わるなんてない。男の形なのに、中身が女なんておかしい。だから、あたしを認めないし、理解する気もないのよ。」

「・・・!?」



なんとなく。

彼女の言っている意味がわかった。

ぼんやりだけど、わかった。




「それって・・・・ご両親がモニカさんの考えに歩み寄るんじゃなくて、モニカさんがご両親にあわせなきゃいけないってことですか・・・!?」

「ご名答。」





予感して言った事実に、彼女は寂しそうに正解を出す。

同時に、ぎゅっと抱き寄せられ、モニカちゃんの腕の中に納まる。



「向こうは・・・・あたしがイカれてるって思ってんでしょうよ。あたしは、まともなつもりなんだけどね。」

「モニカちゃん・・・」



悲しそうな声が耳に届く。



「あいつら、あたしを男らしくするために格闘技習わせてたんだけど・・・肉親よりも、赤の他人の方が、あたしが男じゃないってわかっててねー・・・幸い、顔が良いから女の子にからかわれなかったし、『同性の友達』もできたけど・・・同じ年の男の子は駄目ね。最悪だった。」


その言葉で、モニカちゃんの顔へと視線を向ける。




(うわ・・・どうしよう、怖い。)




無表情だったけど、単純に怖いと思った。

怖かったけど、悲しそうに見えた。