彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


「そりゃあ、れーちゃんがみーちゃんの世話を焼きたがるからよ。もちろん、あたし達に対しても、れーちゃんはそうしてくれるわ。世話好きだから。」

「究極の良い人じゃないですか!?」

「きゃはは!それはどうかなぁ~?・・・でもね、みーちゃんも無理に男らしく着飾ることはやめたわ。」

「やめた?」

「だって、みーちゃんはみーちゃんとして生まれたのよ。それを外側だけ変えるのって、おかしいじゃない?」



そう言って、私の髪の毛を指に絡めるモニカちゃん。



「元々、みーちゃんが、女の子に近い自分の容姿を気にしたのだって、周りの馬鹿がそう言って、からかったからよ。」

「そうなんですか?」

「そうよ!半分は最強ヤンキーの称号を持ってるみーちゃんに嫉妬しての悪口!陰口叩くしか能がない奴らの言葉!そいつらの言うこと真に受けて、男らしい外見にしようとするのが、どんなにおバカなことか・・・みーちゃんも気づいたわけ。」

「そっか・・・そういうことでしたか・・・!」



モニカちゃんの言う通り。



「人は何とでも言いますもんね・・・他の奴らがなんて言おうが、瑞希お兄ちゃんは漢の中の男、『漢』ですよ!」

「そーゆーこと♪あたし達がわかってれば、それでいいのよ。周りがなんて言おうと、関係ないの。あたしもそうだったから・・・」

「・・・・モニカちゃんも、なにかあったんですか?」



そう話す顔が、とても悲しそうだったので聞いてみた。

それに、目だけで私を見ると、視線をそらしながら彼女は言った。



「あたしさぁー・・・男の子の体で生まれちゃったけど、女の子なのよね。」

「自己紹介していただいた時から、そのように察してました。」

「ふふふ・・・ありがとう。凛ちゃん優しいのねー・・・でも、世間は、それほど優しくなかったのよね。」

「瑞希お兄ちゃんみたいに、嫌なこと言われたんですか?」

「他人はともかく、親にも言われたのよ。」

「え?ご両親・・・ですか?」

「そうよ。」



私の問いに、短く冷たく言い放つ。

その言い方と表情に、鳥肌が立った。