彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



感じた疑問を口にすれば、ニコニコしながらオネェさんは言った。



「別に、いーじゃない!凛ちゃん、可愛いから似合いそー!」

「よくないですよぉ!!?」



あっけらかんというモニカちゃんに、待て待てと抗議する私。



「よくないですよ!僕、男ですよ!?ヤンキーですよ!?ヤンキー化するんですよ!?可愛く変身したらダメでしょう!?」

「なに言ってんの!人間、自分のいいところを伸ばしていけばいいのよ~凛ちゃん、ピンクもいいけど、黒のレースが似合いそうよねぇ~次は、黒にしようかなぁ~」

「『黒にしようかなぁ~』じゃないです!た、ただでさえ、僕、男らしくないんですよ!?」


さらしで胸を隠しても、バンダナで喉仏を隠しても、平均的男子の身長に足りない。

筋肉だって、そんなになくて、細い体格なのに・・・





「これ以上、可愛くされたら、総長らしくなくなるじゃないですかぁー!?」

「やっぱりね。」




思っていたことを言った瞬間。

低い声に合わせて、額をデコピンされた。



「あ痛い!?」

「おばか。」



見れば、モニカちゃんの顔から笑みが消えていた。

片腕で頬杖つきながら、半目で私を見ている。



「モニカちゃん・・・?」

「凛ちゃんさー、みーちゃんが言うように、ヤンキーに変なイメージ持ってるわねー?」

「え?」



意味を聞く前に、モニカちゃんの手が私へと伸びてくる。




「凛ちゃん。凛ちゃんが考える総長ってどんな感じ?」

「どんなって・・・」



オネェさんの指が、私の前髪をいじる。

それを気にしながら、質問に答えた。




「それは・・・カッコよくて、強く、優しいけど、怖いところもあって、みんなをまとめられる・・・瑞希お兄ちゃんみたいな人です。」

「きゃはは!ホント、みーちゃんが好きねー!?」




私の返事に、私の髪を触りながらモニカちゃんは笑う。