「凛ちゃ~ん!気分転換しましょう♪」
「モニカちゃん。」
自己嫌悪に陥る私に、声をかれてくれたのは先輩のオネェさんだった。
瑞希お兄ちゃんを後ろに乗せて飛ばした日から数日後。
バイクの練習に来たら・・・
「壊れたわ。瑞希の単車。」
「えーーーーっ!!?」
(私のせい!?)
烈司さんの言葉に絶句しながら、反射的に思う。
「あ。別に、凛たんのせいじゃないからな。」
察した烈司さんが、素早くフォローしてくれた。
「凛たんが原因で壊れたわけじゃねぇよ。元々、メンテナンスの時期だったんだ。」
「でも・・・」
「だーから、お前は悪くないって!気にすんなって!」
「じゃあ・・・今日の練習は、他の方の単車をお借りするんですか?」
「いや、それもそういかなくてなぁ~」
私の問いに、はじめて困った顔をする烈司さん。
「伊織も皇助も、バイクで出かけちまってるし、モニカは先にメンテナンスに出してるからないんだよな。俺の単車にいたっては、瑞希に貸してるからよー・・・」
「もしかして僕・・・・来た意味がなかったですか?」
自然と出てきた答え。
それに相手は、苦笑いで答えてくれた。
「そうとも言うかな。」
「そうですよねー・・・」
そこまで話したけど、念のため確認を取る。
「ちなみに、瑞希お兄ちゃんはいるんですか・・・?」
怖々聞けば、呆れたように烈司さんは言う。
「今日もお仕事!凛たんの好きな瑞希お兄ちゃんは、いませんよぉ~?」
「そ、そんな言い方しなくていいじゃないですかっー!?」
「はいはい、凛たんは瑞希お兄ちゃんが好きだもんねー」
完全なからかい口調に、顔が熱くなる。
烈司さんはいい人だけど、時々からかってくる。
百鬼よりはマシだけど、瑞希お兄ちゃんを好きだって言われるのは照れくさい。


