彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



赤い単車にまたがり、エンジンをかける。





ブロン、ブロン、ブロンブロンブロロ!!





「よーし、いいぞ、凛。」

「はい!」



薄暗がりの中、ヘッドライトをオンにする。

まぶしい光が、コンクリートを照らす。

同時に、私にコーチしている瑞希お兄ちゃんをライトアップした。




「凛!操作は土の地面の時と同じだ!焦らずに、落ち着いてしろ!」

「はい!」

「行け、凛!」

「はいっ!」




言われるがまま、単車を動かした。

バイクの練習は、操縦がややこしくて、面倒だった。

でも、何度も動かしていれば、やり方を覚えられた。

烈司さんの言う通りだった。



「バイクの基本は、『走る』・『曲がる』・『止まる』ができりゃあ、いい。」

「それが三原則ですか、烈司さん?」

「そーゆーとこだな・・・プラスで『加速』が自由自在にできるようになれば、立派な暴走族ってとこか。」

「スピード狂とは違うんですか?」

「まぁ似たようなもんだな。瑞希がオメーに見せたバイクテクを覚えたきゃ、『走る』・『曲がる』・『止まる』を早く覚えな、凛たん。成長したお前を見れば、瑞希も喜ぶぜ~?」

「わかりました!!」



そう言われたら、ますます頑張るしかないじゃない!!

バイクに乗ってるつもりで練習しつつ、意識は自転車だと思い込むようにした。

自転車に乗る練習をしているのだと思えば、ハイテク自転車に乗るのだと思えば、緊張しないで乗れた。

練習も落ち着いて出来た。



ブンブンブン!ブブブブーン!!




「おっ!?上手くブレーキングできたなぁ~!?空き缶の三角コーンを使ったスラロームも、ちゃんとできるようになったじゃんか!?」


〔☆よいこのための豆知識☆〕
ブレーキング:自分が止まりたい場所へきちんと止まれること♪
スラローム:障害物として三角コーンなどを数個、距離を置いて並べ、コーンにふれないで安全運転することだよ♪



「そ、そうですか?」

「ばっちりだ!俺の見込んだ通りだぜ♪」

「そ、そんな~エヘヘ!」



瑞希お兄ちゃんに優しく言われ、照れてしまった。