瑞希お兄ちゃん達から受けることになったバイクの訓練。
晴れの日も、雨の日も行われた。
私は時間が許す限り、瑞希お兄ちゃんのお店に行った。
練習時間は夕方から夜にかけて。
寝不足になりそうだったけど、瑞希お兄ちゃんに会えるから頑張れた。
「瑞希お兄ちゃ~ん!来ました~!」
「あらぁ、いらっしゃーい!凛ちゃん♪」
「がはははは!!今日は瑞希、いねーぞ!俺らだけでコーチだっ!」
「・・・。」
時々、瑞希お兄ちゃんがいない時もあったが、頑張った。
「瑞希お兄ちゃ~ん!来ましたー!」
「よぉ、凛。さっそく、がっかりさせるけど、瑞希いねぇーんだ。」
「チェンジはきかんぞ。今日は俺達でしごいてやる。覚悟しろ、凛道。」
「・・・。」
飴とムチの組み合わせの時もあったが、頑張り抜いた。
ただ、瑞希お兄ちゃんがいなかった日を避けてきたのに、会えないことが何度かあった。
それで気になったので、聞きやすい人に聞いてみた。
「あの・・・瑞希お兄ちゃんは、今日はどちらへ?前の週は、この時間いたのに・・・。」
「ああ。お前、瑞希がバリスタ修行してるって話は聞いただろう?あいつ基本、週4はバリスタのバイト先に行ってる。」
「と言っても~不定期だから、曜日とか時間とか、行く日が決まってないの~!バラバラなのよね~」
「ああ・・・だから・・・」
(いると思ってきたのに、いないのね・・・)
烈司さんとモニカちゃんの言葉に落ち込めば、近くから笑い声が響く。
「がははは!凛助!その顔は、瑞希がいる時を狙って来てたなぁ~!?残念だったなぁ~ぶはははは!」
「べ、別にそうじゃないですよ、百鬼さん!」
「隠すな!強がるな!甘ったれが!わはははは!」
「違いますよぉー!」
「どっちでもいいから、静かにしろ馬鹿共が。凛道、いいから、さっさとバイクにまたがれ。あいつは、お前のために単車を置いて仕事に出かけてるんだぞ。さぁ、やれ。」
「むぅ・・・・はーい!わかりました、獅子島さん・・・。」
理不尽なことが多かったけど、必死で練習した。
瑞希お兄ちゃんがいる日も、いない日も、転びながら単車にまたがった。
アクセルを踏んで、ギアを触って、ハンドルを握りしめた。


