私の気持ちをどこまで察したのかわからないけど、煙草の似合うお兄さんは助けてくれた。
「凛たんが乗車拒否するのはわかる。本当なら、皇助の単車を練習台にすりゃあいいって話だ。けど、それは無理だ。」
「ええ!?なぜですか烈司さん!?」
「まったくだぞ!なんで俺様の単車!?」
「ハートだ。」
「は?」
ハート?
「はーと・・・・心ですか?」
「そう。気持ちの問題だよ。」
首を傾げれば確認すれば、真面目な顔で烈司さんはうなずく。
「凛たんの場合、単車の操作を覚えるのは早いだろう。乗り続けて、動かし方を復習できる奴ならだいたい乗れるようになる。」
「はあ・・・」
(そういうものなのかな??)
「まぁ、オメーの素質は、乗ってみなきゃわからねぇわな。けどよ、技術面では問題ないと俺らは思ってる。」
「あ、ありがとうございます。」
「つーことで、問題はメンタル面だな。」
「え?」
「凛たんさ、単車に乗る『自信』がないだろう?」
「うっ・・・な、ないです。」
迫る顔に身を引きながら言えば、片眉を下げながら烈司さんは言う。
「ほれ、こういう時もニラミ返せ!あるいは、伊織みたいな、不愛想で決めろ。」
「ポーカーフェイスと言え。ニコチン中毒者。」
「うるせーガリ勉が!だからな、凛たん。俺らの単車を使うよりも、凛たんが心酔してる瑞希のバイク使った方がやる気出るだろう?」
「し、心酔なんてそんな!」
好きな気持ちがバレてる!?
両手を振って否定すれば、にやりと烈司さんは笑う。
「へぇ~・・・それじゃあ、大好きな瑞希お兄ちゃんから、女好きの皇助のバイクでシフトチェンジで練習に切り替えるか?」
「えっ!?」
「そうと決まれ、瑞希号さようなら~」
そう言いながら、私の目の前から単車を遠ざける。
それで急に惜しくなった。


