彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)






私の表情を、彼らがどう解釈したのかは、わからない。

ただ、興味の対象が私から私の隣に移動したのは確かだった。




「新入りさんへの抗議も終わったことだし・・・本題と行こうぜ、円城寺!カンナちゃん怪我させたくなかったら、わかってるよな!」

「その前に、オメーらもお勉強の時間だ。」

「なに?」




ヘラヘラしている大場と羅漢メンバー達に円城寺が言う。






「カンナをそこら辺のバカ女と一緒にするな。」





低く鋭い声で、拳をならしながら告げる円城寺。





「俺はよぉ・・・カンナ達とつるむって決めた時点で、女盾にしてやがるって誤解されることは百も承知で心得てんだ。」

「大河!?」

「おいおい、この期におよんで言い訳か?」

「いいや、いつもする解説だ・・・!」




目を丸くするカンナと、はぁ?という大場とその仲間達に円城寺は言った。




「俺は、テメーの立場が悪くなった喧嘩に、カンナを代理で送り出すなんざしたことはねぇ。これからもするつもりはない。テメーの喧嘩はテメーで始末してきた。今までも、これからもだ。」

「大河・・・」

「カンナは、女って言う前に、俺らのダチで一緒にバカやる『戦士』だ。二度とメスだの性処理だのってふざけた口叩くんじゃねぇ・・・・!!」


「ひっ!?」


「わかったな・・・!?」




そう語る顔は、人でも殺しそうなもの。

大場をはじめとした男達を、後ずさりさせるだけの迫力があった。