彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「よーし!話はここまでにして、はじめるぞ、凛!」

「は、はい!」

「早速練習だ!」

「は、はいっ!!」




見とれるタイムは終了。

瑞希お兄ちゃんの号令で、バイクの運転訓練がスタートする。



「いいか、凛!甘ったれた考え捨てろ!ビシバシ行くからな!」

「はいっ!!」

「いや、そう思うなら、凛たんを抱きしめるのやめろや・・・。」

「うっ!?わーてるよ、烈司!」

「まったく・・・甘やかすき、満々よなぁー?」

「うるせぇよ!いいから早く、持って来い!」

「はいはい。」




怒鳴る瑞希お兄ちゃんに、やれやれと言いながら烈司さんは遠ざかる。

程なくして、彼は帰って来る。





「ほら!ご注文の品を持ってきましたぜ総長様?」





私の目の前に、一台の単車を運んできた。



「あれ?それは・・・」

「凛!これからの練習は、こいつを使え!」

「こ、これは・・・!?」



そのバイクを見てギョッとした。





「瑞希お兄ちゃんのバイク!?」

「おう!」





前回、後ろに乗せてもらった瑞希お兄ちゃんの赤色の単車。

インパルスという種類の大型のバイクだった。



「こ、これで練習するんですか!?」

「そうだ。凛だって、見知ったバイクの方がいいだろう?」

「ええ!?だめだよ!」



愛しい人からの申し出に、即答でNoの返事をする。





「瑞希お兄ちゃんの単車で練習なんて・・・できません!」





練習するからには、それなりに壊れかけている物を想像していた。

初心者である私が、綺麗な単車に初乗りなんてしたら・・・!!



(絶対、壊してしまう!!)



だから、お断りした。



「無理です!使えません!」

「はぁ?馬鹿野郎!今更泣き言入れる気か!?」

「違います!もし、壊したりしたら、申し訳ないです!」

「機械はいつか壊れる!俺は、傷がついたぐれーじゃ、ガタガタいわない!」

「タイヤが取れたら!?」

「どんな運転する気だよ!?」


「落ち着けオメーら。」




このやり取りを見ていた1人、烈司さんが呆れつつもフォローしてくれた。