彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「そ、そっかぁ~?凛は大げさだなぁー?」



私の言葉に、照れくさそうにする瑞希お兄ちゃん。



「おおげさじゃないです!事実ですよ~?」



それだけで、私の気分もよくなる。



「こんな大きなバイクを、缶を倒さずに回るってすごいです!」

「あははは!誰でもできるぜ、これぐれー!?」

「でも、僕は出来ないですよー?瑞希お兄ちゃんすごーい!もっと見たい!」

「はは~!そこまで言うなら、仕方ねぇなぁ~!」



まんざらでもなさそうにする瑞希お兄ちゃん。



「次は、スライド技みせてやるよ!」

「スライド??」

「-----ほっと!」



そう言うなり、瑞希お兄ちゃんの体が傾く。






バウーキュル!キュルっ!


「え!?」






グルグルと、その場を回り始める。





「な、なにそれ!?どうやって回転してるの!?」

「アクセルかけて、コントロールしてんだよ!」




得意げに言うと、土煙を上げながらさらに回転する。




「えええ!?目が回らないの!?」

「はっはっはっ!俺ぐらいになったら、酔ったりしねぇーよ!」

「ホント、すごーい!」




瑞希お兄ちゃんが見せるバイクテクに魅了される。

バイクという乗り物に関心がいく。






「いいなぁ~すごいなぁ~やりたいなぁ~」


(私も、練習すればできるのかな・・・?)





上手になったら・・・・瑞希お兄ちゃん、もっと私を気に入ってくれるかな?

頭ナデナデとか、ギュって抱きしめるとか♪


そんな私に、単車を直立に戻しながら瑞希お兄ちゃんが言う。





「焦るなって!ちゃんと、凛にも教えてやるから。」

「俺も、そんな風にカッコよくできますか?」

「できるって!そのうち、ヘアピンもアクセルターンも、ウィリーもできるようになるって!まぁ・・・ウィリーは、烈司の方がうまいけどな。2人乗りでするから。」

「へぇ~すごいですねー烈司さん。瑞希お兄ちゃんは出来ないんですか?」



何となく聞いた言葉。




「出来ない?」





それで、なぜか瑞希お兄ちゃんの顔が固まった。


笑顔のまま、動きを止めた瑞希お兄ちゃん。




「どうしました?」




首を傾げながら聞けば、優しい声で言われた。







「凛ちゃん・・・瑞希お兄ちゃんを甘く見ちゃだめだぞー?」

「へ・・・?」

「俺がウィリー出来ねぇーとか、思っちゃいないよなぁ~・・・!?」





そう告げた顔を見て、本能的に思う。




これ、怒ってる。



〔★凛は知らぬ間に地雷を踏んだ★〕