彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「あのねーお前!今の世の中わかってる?」

「な、なにが!?」

「この世は、男女平等の世界なんだぜ~?それを『男が』とか『女が』とか、マジで語る方がおかしいんだぞ?」

「・・・・・・・え?」



(なにそれ・・・?)


間違ってはいないけど・・・・


(こんなにもムカつく正論初めてなんですけど・・・・!?)




不愉快さが増す。

そんな私に向けて大場という奴はさらにしゃべる。




「この顔でわからねぇかもしれねぇーけど、この女はあの『巴御前』だぜ?」

「ともえごぜん・・・?あの歴史で習った源義仲の仲間の女武将?」

「ははは!実際、便利なヤリマンなんだろうけどな~『鬼姫』様?」

「ざけんな!あたしは大河達とは、色恋抜きのダチなんだよ!!」




大場の言葉に、『巴御前』、『鬼姫』と言われた少女が吠えたが――――――




「黙れ!」

「あう!?」



それで大場はカンナという子を殴る。




「やめろ!」

「女の子の顔を叩くな!」




円城寺という男子と一緒になって言えば、眉間にしわを寄せながら大場が私を見た。




「お前ねぇーまだわからないの?こいつは、男にまじって喧嘩や走りしてんだぜ?女だからって言う理由で、俺らが手加減してたらそれこそ不公平だろう?」

「そんな・・・だったら、関わらなきゃいいだろう!?わざわざ、喧嘩しなくていいじゃないか!?」

「大ありなんだよ!!こいつら、『あれ』にエントリーしやがったんだ!」

「エントリーって・・・勝ち抜き戦手奴のこと?」

「そうだよ!女入れて戦ってんのは円城寺のところぐらいだ!」




円城寺から聞いた言葉で聞けば、鼻を鳴らしながら言われた。