彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


私の頭を一通りなでた後で、瑞希お兄ちゃんは言った。



「心配しなくても、御用になるような真似はしねぇよ。」

「・・・本当ですか?」

「凛に嘘はつかねぇ!なにかあれば、伊織がケツ持つからよ。」

「え!?セクハラされるんですか!?」

「ぶっ!?ばか!そうじゃない!」



ギョッとして聞けば、瑞希お兄ちゃんもギョッとしながら答えてくれた。



「ケツ持つってのは、『責任とる』って意味だよ。後始末とか!」

「あ・・・なんだ、よかったー!てっきり、百鬼さんのように、お尻を掴まれるのかと・・・!」

「ぶはっ!!あっはははは!そういえば、そういうこともあったなぁ~!?」

「笑い事じゃないですよ!?あれが女性だったら、訴えられてますよ!?」



〔★凛も訴える側ではある★〕



「安心しろ、凛!今度、皇助が凛に触ろうとしたら、俺がブッ飛ばしてやるかよー!なぁ、凛ちゃん?」

「えっ!?本当ですか!?」」

「ホント、ホント!!!」

「あううう・・・・はい・・・!」



ゲラゲラ笑う瑞希お兄ちゃんを怒るが、そう言われれば、悪い気はしない。

その間にバイクは、山道へと入った。

傾斜の道を、平地と変わらぬスピードで走るバイク。



「あの、飛ばしてますけど、大丈夫ですか?」

「ああ。これ、山道にも強いんだよ。しばらくのぼるけど、もう少しいい子にしてろよ?」


(い、いい子って・・・!)


「はーい!」




優しい音色で言われれば、Yesと答えるでしょう!

まさかの昔をリプレイできて、幸せ。



(この時間が、永遠に続けばいいのに・・・!)



でも、楽しい時間ほど過ぎるのは早いのよね・・・




「よっし!ついたぞ!」

「わあ!?」





ガクっと単車がゆれる。

何かに乗り上げたようにして止まった。




「ここは・・・!?」

「良いだろう!?この広さ!」

「いや・・・確かにいいですけど・・・」



この場所は・・・





「ゴルフ場じゃないですか・・・?」





バイクのヘッドライトに照らされる地面。

そこに生えている緑の芝生。

そして、薄汚れた看板。

『ゴルフ場』の文字が書かれていた。