「それが未だに謎なんです。ずっと・・・理由を聞いても。『わかんない。』って。『わからない。』のに、笑うっておかしいですよね?笑ってる本人たちがわからないとか・・・!」
「凛。」
うつむけば、低い声で聞かれた。
「顔が・・・僕の『顔が笑える』って・・・。」
「・・・なんよだそれ・・・!?凛がどんな顔したってんだよ?」
「こんな顔です。」
聞かれたので、バンダナをはずしながら言った。
あの頃、いつも学校でしている普通の顔を見せた。
のど仏のことが気になったが、今は目をつぶろう。
「僕の顔はおかしいですか?」
唯一、私がまともだと思える人の判断を仰いだ。
「おかしくない。」
続けざまに、低い声で言われた。
「笑う意味が分からねぇ。」
そう告げる目は、6年前と同じ。
「俺から見れば、凛の顔はおかしくない。烈司や他の奴だって同じ気持ちだ。逆に、笑う奴らがどうかしてる。そいつらの神経がわからねぇ。いや、わかりたくもないクズ共だ・・・!」
私と真剣に向き合ってくれた瞳だった。
「だから、そんなゴミ共のことなんか忘れろ!凛は悪くないんだからな・・・!?」
自惚れかもしれないけど、怒っているようにも聞こえた。
顔だって、羅漢達を叱った時のように見えた。
それで少しだけ安心できた。
再び、バンダナで口をもとを覆いながら私は言った。
「・・・・よかった。あなたにまで、笑われたらどうしようかと思った。」
「凛、そいつらぶっ殺してもいいんだぞ?」
「女もいるのに、無理でしょう?『僕』は、何かしたわけでもないのに・・・なんだったんだろう?」
励まされているのだと思えたら、甘えたいモードが満タンになった。
大丈夫だと伝えれば、不機嫌な顔で瑞希お兄ちゃんが言う。
「他人事みたいに言うな、馬鹿!お前、凛はなー人が良いから、そういうアホのカモにして遊ばれたんだよ!?女もムカつくが、野郎共は今からでもお礼参りしちまえ!!」
「『龍星軍4代目総長』がですか?」
「っ!?」
それで瑞希お兄ちゃんが言葉を詰まらせる。


