「普通にしてても、ニヤニヤしてるので、無視して過ごすことにしました。」
「悪くはない判断だな。」
「ええ。動きを変えようが、変えまいが、結局笑っています。普通にしているだけなのに、何に笑いのツボがあるのか・・・笑ってました。大げさにリアクションを取ってる。最後の方は・・・男子・・・男女ともに、クラス中からされました。」
最初は、女子だけだったのに、ヤンキー男子が先導して笑いものにされた。
「僕という存在すべてを笑っていた。」
耳障りな女特有の声と、声変わりした男の醜い声。
「それが大まかな流れか。」
「・・・瑞希お兄ちゃん?」
「凛がどんな目に合ったから、そのストーリーはわかった。馬鹿共が凛を笑っていた理由、お前は『答えられない』って返事をされたって言ったけど、本当は知ってるんだろう?」
「瑞希お兄ちゃん・・・」
「凛は、笑われている本当の動機を聞かされたんだろう?」
そう断言する相手に、顔がゆがむ。
思い出した言葉。
中学3年の時、やっと知れた笑われる理由。
「最後に・・・半年前に、理由がわかりました。」
男女で群れて、ニヤニヤひそひそしている集団。
耐え切れなくて、少し声を荒げて聞いた。
「『答えられないって言ったけど、変なところがあるから笑うんだよね?直すから、いい加減教えてよ。ずっとそんな態度を取られたら気になって困る。』」
きつい口調で言った。
それに顔所達も、彼らも無表情で黙った後で・・・
(そうだ・・・その時、言われたんだ。)
「『顔が笑える。』」
「はぁあ?」
聞きだした真相。
「『悪い意味じゃない!』って、強く念押しした後で言うんです。『顔がなんか、笑えるの~!』っていうんですよ。」
思い出すのは、不快に感じた言葉と態度の数々。
「キャラクターグッズを見て反応する感じで、『なんか、その顔が・・・あははは!』・・・って、リアクション取るんですよ?悪意と好意の中間地点という態度をとるんです。」
なぜか、『顔が!』と言いかけて笑っていた。
「なにかが、自分の顔についているのかと・・・鏡で見たんですよ。でも、何もないんです。」
彼女達が、何で笑っているのかわからない。
「真面目に聞いても、みんなはお互いの顔を見合わせて笑うだけ。」
それはクラス中に感染していった。


