彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



私を見つめる目が、心配とか不安とかじゃなくて、私の言葉によってショックを受けてるのがわかった。

きっと、瑞希お兄ちゃん自身の発言を振り返って、彼が自分を責せめてるのだとわかった。

そういうのが全部、わかたから−・・・




「ごめんなさい・・・・!」



私は瑞希お兄ちゃんに謝った。




「顔見られると、いろいろ、自分も駄目で、周りに迷惑をかけるから・・・許して下さい・・・!」




ごにょごにょした口調で伝えれば、瑞希お兄ちゃんの表情が変わる。





「何をされた?」





そう聞いてきた顔は、今日初めて見せる表情。

『龍星軍』初代総長と名乗った瞬間の顔だった。

相手の変化に戸惑いながらも、私は、無意識のうちに話していた。



「?・・・・・なにもされなかったんです。」

「なにもされてない?顔が原因で、ボコられたりしたんじゃねぇのか?」

「いいえ、暴力とか・・・振るわれたわけじゃないです。ただ、声が・・・・」








クスクスクス、クスクス。

やだぁ、おかしいよね?

なに、あの顔~?







「・・・・そう、ただ、笑われただけ・・・・・」



口をついて出た言葉。

自覚のないまま、昔の出来事を話していた。




「小学校卒業前から・・・中学を卒業するまで、それがありました・・・・。」

「どんなことだ?」




「笑うんですよ。」



たくさんの嘘の上書をしてきた。

家電がないとか、家出中というのは嘘。




(それらは全部、嘘だけどー・・・・・)



「・・・・みんな、僕の顔を見て、クスクス笑うんです。」




(そっちは・・・・嘘じゃない。)




そこまで言って、はっきり思い出す。

少し前まで、負の感情が支配していた私の地味な日常のことを。