今まで男子に、こんな風に言われたことない。
それ以前に、男の子と付き合ったこともない。
私が好きな人は、1人だけ。
目の前にいる真田瑞希だけだったから。
(そんな大好きな人から可愛いって言われて、嬉しいけど・・・!)
今の私は『男』だから、からかわれてるのは間違いなさそうだから・・・
(本気にはしちゃだめだよね・・・?)
遠慮がちに、目だけで彼を見た。
その瞬間、瑞希お兄ちゃんが大口を開いた。
「凛!俺の言葉、疑ってるだろう!?」
「ええ!?エスパー!?」
反射的に出た言葉。
それで瑞希お兄ちゃんは真顔になった。
「エスパーって、マジかよ!?誤解だ、凛・・・!俺、悪口とか冗談で言ってないって!マジだから!」
「か、からかってるんじゃないんですか・・・?」
「それはもう終わった!今は、凛のこと本気で褒めてんだ。凛は可愛いっていうか、美形っていうか、癒し系っていうか・・・とにかく、不細工じゃない!だから、顔を隠す必要がないんだよ。」
「瑞希お兄ちゃん・・・・そこまで、わ・・・僕のことを・・・?」
(もう・・・お世辞でも、嬉しい・・・・)
もう本当かウソかなんてどうでもいい。
瑞希お兄ちゃんに褒められているということが、一番のポイント。
私の中の乙女心は動かされた。
思わず、ギュッと瑞希お兄ちゃんに抱きついている手に力を強める。
そうしたら、それに反応したように、バイクにまたがった状態で後ろを向いて、私を抱いていた瑞希お兄ちゃんが動く。
「ほっと。」
「あ・・・!」
さらに、体を私の方へとねじりながら体を密着させると彼は言った。
「うん。可愛いけど、小さい。ちっちゃいな・・・。俺の腕にすっぽりおさまってやがる。」
「み、瑞希お兄ちゃん??」
「ちっこいのもだけど・・・本当に細いな。ちゃんと食べてるか?」
「え?」
そう言うと、私の肩や背中、腰を撫でる瑞希お兄ちゃん。
「ふええ!?お、お兄ちゃん!?」
「全体的に小さいのは仕方ないけど・・・腰が細すぎだろう?二の腕も細いし・・・モニカよりも痩せてるんじゃねぇーの?」
「そうですか・・・?」
その触り方は、まるでお医者さんみたいだった。


