彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



夜のガレージ前。

瑞希お兄ちゃんと本音を語り合えたことは、私にとって意味のある時間になった。

おかげで、少しだけ瑞希お兄ちゃんとの心の距離が縮まった気がした。



「ったく!お前って奴は・・・・恥ずかしいセリフ、平気で言いやがるよなー?」

「えっ!?な、何か気に入りませんでしたか?」

「自分で考えろ、ばか。」

「えー!?」



意地悪く言う相手に、本気でショックを受ける。

それに瑞希お兄ちゃんは、私の反応を楽しむように笑う。



「あははは!嘘、嘘!ホント、凛は可愛いなぁ~!」

「う、嘘!?なんだ、よかった・・・というか!からかわないでくださいよ!冗談通じない性格なんですから!?」

「だったら、ジョーダンがわかる大人になりなちゃい!そういう顔すると、ますますからかいたくなるなぁ~」


「あう!」

(またそんな!心臓に悪いことを言ってー!!困っちゃうなぁ~!)



〔★まんざらでもなかった★〕



「ほらほら、凛ちゃん!早く大きくなぁーれ♪」



そう言うと、私のアゴを掴んで、ほっぺをプ二プニする。



「ぷっ!く、くすぐったいです~」

「あれ?ツボ押してるのに、気持ち良くないか?」

「え?ツボ?」

「ん~この辺?」

「んぁ!?あ・・・・ちょ、あは、あん!」

「あっはっはっ!エロい声出してやがんの~!?」

「瑞希お兄ちゃん!!」



さすがに、プレイ(!?)を抜きにして恥ずかしくなったので、本気で注意する。

そんな私を、笑いながら抱きしめると、急に真面目な顔でのぞき込んできた。

かなり遠慮なく、ガン見してくる。



「あの・・・気のせいかもしれませんが、『僕』を見つめてませんか?」




冗談ぽく、茶化す感じで軽く聞いてみる。

実際は、ガン見されていることに緊張していた。

こう言えば、気づいてやめくれるかなぁ~と。




(別に、見られるのは嫌じゃないからいいけど・・・さっきの労働で、軽く汗かいたからなぁ~臭ってたら困るのよね・・・。)




瑞希お兄ちゃんが、相変わらず良い匂いをさせていることも、自分の体臭を気にしてしまう原因でもあった。

これに瑞希お兄ちゃんの方は、視線を向けたままのんびりとした口調で言った。




「気のせいじゃなくて、バッチリ見てる。」

「え?」

「んー真面目な話、凛はさ~顔を隠さない方がいいよなぁ~」

「ええ!?」

「可愛い言うなって言っておいて、俺がそう言うのもあれだけど・・・凛は可愛いよな。」

「そ、そうですか・・・?」



瑞希お兄ちゃんの腕の中、言われ慣れていない言葉に戸惑う。