彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



好きな人に見惚れること30秒。



「鼻から下、熱くないのか?もしかして、唇あれやすいから、バンダナつけっぱにしてんのか?」



口元に暖かい指が触れ、我に返る。






「うっ・・・きゃああああああ!」


(く、くくくく、口に手を、触られた!?)






嬉しさと恥ずかしさで、上半身をのけぞらせる。

後ろへ体を傾ける。




「なっ!?危ない!」

「ふえ!?」




そんな私を、驚きながら瑞希お兄ちゃんが抱きとめる。

バイクにまたがった状態で伸ばした腕を、私の背中に回して引き寄せた。



「何オーバーリアクションしてんだ!?怪我するだろう!?」

「すすすすす!すみません・・・!」



そう言って、至近距離で私を抱きしめる。

ニラんでいる。

息がかかる距離で睨みながら怒る。




「なんなんだよ、オメーは!?思春期特有のハイテンションか!?」

「そ、そんな感じです・・・!」




眉をへの字にしながら聞く相手に、熱い顔で固まるしかない。


ああ、今・・・この間抜けな顔を見られているのね~と考えて思い出す。


(見られている・・・?)



「ああああ!?いけない!マ、マスクマスク!!」

「は?」

「マスク返してください!!




顔がさらされていることを思い出す。

瑞希お兄ちゃんの腕の中、彼が片手で持っているバンダナに手を伸ばす。

しかしそれは、私の手に届かなかった。



「マスクはないぞ。」

「瑞希お兄ちゃん!?」



私が取る前に、さっとマスクを持った手を上にあげる。



「か、返してください!私のマスク!」

「俺マスクなんて持ってない。」

「頭上に掲げてるのが、そうしょうが!?」

「残念。これはバンダナ~」

「うう!?」



そう言って、意地悪そうに、シシシ!と笑う姿。




(か、可愛い!!)


メチャメチャときめいた。



「あいにく、凛が言うマスクは持ってねぇーよ。あははは~」

「あううう・・・!」


(この小悪魔めぇ!!)



愛しすぎるぞ、ちくしょー!!


わざと、私の目の前でバンダナをヒラヒラさせる瑞希お兄ちゃん。


その様子は完全に遊んでる。

からかわれているとわかってるのに・・・!



「か、返してくださいよー♪」

「やだよ~お前のマスクじゃないもーん♪」

「ぼ、僕のです~!僕のバンダナマスク~!」

「あははは!返してほしけりゃ、取ってみろよ!ほれほれ!」

「やん!瑞希お兄ちゃんのいじわる~!」



からかわれることに幸せを感じる!!



〔★凛は遊ばれることに喜びを感じていた★〕



もっと、遊んで!

私をからかってー!

気分は、ご主人様に猫じゃらしで遊ばれる仔猫ちゃん♪



(あん!知らない人が見れば、まさにバカップルねー!?)



〔★残念ながら、男同士のふざけあいにしか見えないだろう★〕