だから、この言い争いを止めるために言った。
「か、帰ります!!」
「凛?」
「僕、家出やめます!自分の家に帰ります!」
「凛!?」
ややこしくなる前に、元のさやに戻ることにした。
「ごめんなさい!!僕・・・嫌なことが家であって・・・それで、嫌になって、飛び出してきただけで・・・」
「凛・・・」
「でも!瑞希お兄ちゃん達に迷惑をかけるぐらいなら、帰ります!!」
「け、けどお前!大丈夫なのか?一晩ぐらい泊まって行っていいんだぞ?」
天使のような悪魔のささやき。
その誘惑に心は揺れたけどーーーー
「帰ります。」
私の腕を掴む瑞希お兄ちゃんの手に、自分の手を重ねながら言った。
「家出は、今日で終わりにします。ちゃんと家に帰りますから、心配しないでください。」
「凛!」
「ただ・・・家電の方は、勘弁してください!僕・・・こんな感じで、プチ家出するので、家にいないことが多くて・・・家に電話してもらっても、絶対、僕は出れないし・・・」
「・・・・電話に出れない・・・?」
「はい・・・。」
「・・・そういう家庭環境か?」
「・・・・そうです・・・・」
ダンダンと、顔が見てられなくて視線をそむけた。
さすがに良心が痛んできた。
でも、仕方がない。
(嫌われるぐらいなら、ほら吹きの方がましよ・・・)
そう思ったら、突然、首の後ろを掴まれた。
「えっ!?」
「凛!」
気づいた時には、瑞希のお兄ちゃんの手が、私の頭を抱えていた。
「可哀想に・・・つらかったなぁ・・・!」
「っ・・・!?」
ギュッと、頭を抱き寄せられていた。


