お笑い芸人で言えば、完全に笑いを取れなかった場面。
「・・・。」
居たたまれなくなり、私は静かにポーズを解く。
そして、目を点にして固まっているお兄さん達に背を向ける。
もう、顔を見てられない・・・・
「・・・・・・・すみません。」
謝罪して、トボトボと歩き出す。
お店の出入り口、ドアへ向かって進む。
それで、瑞希お兄ちゃん達の動きが再会した。
「はっ!?ちょ、待て待て待て!!」
「どこ行くんだ、オメーは!?」
どたどたと足音がしたと思えば、背後から掴まれる。
「「どこへ行くんだよ!?」」
左右から、同時に腕を掴まれて聞かれる。
それで私は、シブシブ返事をした。
「どこって・・・・帰ります。」
「えっ!?帰る!?お前、家がなかったんじゃないの!?」
「どこに帰ろうって言うんだよ!?」
矛盾をついてくる瑞希お兄ちゃんと烈司さんに、投げやりな気持ちで言った。
「いや、まぁ・・・秘密基地はあるので・・・」
「「秘密基地!?」」
それで、顔を見合わせるお兄さん2人。
先に口を開いたのは瑞希お兄ちゃんだった。
「凛さ・・・家出中とか言ったよな?帰る家ないのか・・・?」
「いえ、その・・・秘密基地があるので・・・」
「どこの戦隊ものだ!?いつから、家出してんだよ!?」
「え?あ・・・今日。」
「「今日ぉ!?」」
「いやその・・・今日家出したんで、もう家がないって言うか・・・」
「本当にお前は唐突だな!?」
そういうと、大きくため息をつく瑞希お兄ちゃん。
「なんだそりゃあ・・・お前、むちゃくちゃじゃんか・・・!?なによ、また親と喧嘩??」
「あー・・・そうですね・・・」
「『そうですね』じゃねぇーぞ!・・・・瑞希、どうするぅー・・・?」
困り顔で言う烈司さんに、同じような顔で瑞希お兄ちゃんが言った。


