彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



瑞希お兄ちゃんとは対照的に、わかりやすいぐらい怒る烈司さん。



(やっぱり無理があったよね・・・?)



ヘビースモーカーの反応に、私は言う言葉を間違えたと思う。

言った内容を反省する間もなく、私へと迫ってくる男前。




「なにが家がないだ!?自宅知られて困ることがあんだろう!?」

「うっ。」



完全な正論。

どう返事しようかと考える前に烈司さんは言う。



「どーした!?言い返せないんだろう!?ベタな嘘つきやがって・・・!バレバレなんだよ、お子様がっ!」

「わっ!」


怒涛のごとく押し寄せる言葉。




「誤魔化さねぇで、素直に吐きやがれっ!!」




ブチ切れた烈司さんに怒鳴られる。

彼が作った拳が机をたたく。




「ひゃっ!?」




音に驚いて、思わず叫んで飛び上がる。

だけど、負けるもんか!と思って言い返した。




「な・・・ないものはないです!!」

「あん?まだシラ切るか・・・!?」

「やめろ、烈司!凛の話を聞いてやれ!」

「お前・・・そうやって、甘やかすからー!」


「わ・・・僕には、ないんです!!帰る家なんてーーーーーない!!」





喧嘩を始める2人に向けて叫ぶ。





「「は??」」

「だって、僕は・・・・!」





怪訝(けげん)そうにする瑞希お兄ちゃんと烈司さん。

彼ら視線をそらすことなく、ありったけの勇気を持って言った。







「家出中ですからっ!!!残念っ!!」






歌舞伎役者のように、ポーズをとりながら言う。

その瞬間、お兄さん2人が息をのむ音がした。


ふざけてるわけじゃない。

ただ、そうした方が、重い空気にならないんじゃないかと思った。






「・・・・。」

「「・・・・!!」」





無言で見つめ合う私達。




(・・・・・・・すべった・・・・・・・・)




〔★凛は残念なことになった★〕
〔★烈司は大口開けて固まっている★〕
〔★瑞希はアヒル口で固まっている★〕
〔★そんな瑞希を見て、『瑞希お兄ちゃんマジ天使♪』と凛は思った★〕