しかし、甘い時間は長くは続かなかった。
撫でられる幸せに浸っていれば、ヌッと瑞希お兄ちゃんの背後から何かが出てきた。
「はいはい。ご褒美はそれぐれーにしな。」
煙をふかせながら現れた者。
「さっそく、事情聴取しよーか?」
「烈司!」
「烈司さん!?」
せっかくのラブシーン(?)を邪魔したのは、煙草をくわえたお兄さん。
私へと手を伸ばし、腕を掴む。
「な、なにを!?」
「お前、来るのが遅いぞ~!?」
顔を近づけながら、ニラんできた。
「連絡先も言わずに帰りやがってよ!やきもきさせやがって~」
「あう!?痛い痛い!」
ほっぺをつままれ、声を出す。
でも、それほど痛くはなかった。
痛いと言うよりは・・・
「ほれほれ。」
「はへてくだは~い!」
プ二プ二と、遊ばれていた。
「おい、おもちゃにすんじゃねぇぞ!」
そう言って助けてくれたのが瑞希お兄ちゃん。
烈司さんを私から引き離す。
「からかうんじゃねぇーよ!悪趣味が!」
「なんだよ、すっかりお気に入りかよ?」
(お、お気に入り?私が瑞希お兄ちゃんの??)
「文句あるか?」
(ええ!?同意してくれた!?)
嬉しい展開に、口元が緩む。
瑞希お兄ちゃんを見つめていれば、その視線が合わさる。
「疲れただろう?なんか食っていけよ。」
「え!?いいんですか?」
「おう!クラブサンドがまだ残ってるからな~」
そう言って、私の肩を抱きながらカウンターに向かう。
(あああああああああ!抱かれる幸せ!!)
それで私の心は、天国へと向かった。


