彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



『クマ⊂(^(工)^)⊃』が描かれたカフェインを運ぶ。



「お待たせいたしました。カプチーノセットです」

「可愛い~!写メろー」

「お兄さん、ありがとう。」

「・・・ごゆっくりどうぞ♪」


『お兄さん』・・・・・と、言われたことに、笑顔で固まりながら、そそくさと席から離れる。




(私の男装は完ぺきなのね・・・)




そう痛感しながら、その足で氷水の入ったポットを持って移動する。



「お冷やいかがですか?」

「ちょうだい。」

「あたしも。」



水を注ぎ終わったところで、声をかけられた。



「おい、帰るから支払いしてくれ。」

「はい、すぐ参ります!」



走らないように、それでも急ぐ形でレジに向かう。



「250円のお返しです。」

「ああ、ありがとう。」



お釣りを渡して、お店の扉を開けてお客さんを見送る。



「ありがとうごいましたー!」



丁重にドアを閉めて、空いた食器を片付ける。






初めての仕事。

勢いで、申し出たお手伝い。



「お前、手際いいな~」

「え!?そうですか!?」



商品を受け渡しながら、瑞希お兄ちゃんが言う。





(誉められた!!)





初体験で、瑞希お兄ちゃんから合格がもらえた。

時刻は深夜に迫っていたが、お客が多い。

仕事帰りだったり、これから向かう人だったり。




「凛が来てくれて、助かったわー」

「お、お役に立てたのなら、幸せです~!」



笑顔で言われ、嬉しくなる。

お店の扉が開く音。






「いらっしゃいませぇ~!」





嬉しくて、自然と笑顔になる。

ニヤニヤ・・・ニコニコしながら出迎えた。




「あ?」

「あれ?・・・あなたは!?」




やって来たお客さんを見って、ギョッとした。




「なにしてんだお前!?なんでオメーが・・・!?」

「烈司さん!」




瑞希お兄ちゃんの友達の男前。

今日は、煙草は咥えていない。



「おいおい、ここでなにしてるんだよ?」

「なにって・・・お手伝いです。」

「お手伝い?」

「いいから、お前も手伝え!」



そこへ、カフェラテをお客さんに運んだ帰りの瑞希お兄ちゃんがやってくる。

小声で怒鳴ると、烈司さんにエプロンを押し付ける。



「今日は忙しいんだよ。早くしろ。」

「あんだオメーは?せっかく、人がー」

「すみません、コーヒーお代わり。」



「「「はい、ただ今!」」」





お客さんの言葉に、3人同時に答える。

それで思わず顔を合わせ合えば、お客さん達から笑いが起きた。