彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




夜、自宅の自室の机に向かって勉強していた。

数式を解いて、最後の解答欄に文字を書き込む。




「終わった・・・」





片付いた宿題。

勉強机の椅子の上で背伸びをしながら、私は一息ついた。




「あーあ・・・瑞希お兄ちゃん、今頃どうしてるかな・・・?」




考えるのは、再会した初恋の人のことばかり。




「『どうしてるかなぁ』じゃなくて、『どうしようかなぁ』なんだよねー」




私は困っていた。

瑞希のお兄ちゃんに見込まれ、彼の作った暴走族グループ『龍星軍』の総長の座を引き継いだ。

今まで、一般人として生きていた私が、急にヤンキーにはなれない。

それは瑞希お兄ちゃんもわかっていたので、ヤンキープロデュースをしてくれることになった。

次に会う約束をして、別れたのは良かったが・・・






(連絡先、交換するの忘れたっ・・・・!!)






あまりにも、基本的なことをしていなかった。

家に帰ってから気づいた失敗。







「・・・どうしよう・・・」



お店の場所は覚えてるので、会いに行ける。

地図が書れたお店の名刺も、もらった。

道も記憶している。

行けばいいのだけど・・・





(行くタイミングがわからない・・・)