彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「うわぁ~!かぁいい♪ヤバすぎでしょう!?」




可愛い焼き菓子に、女子らしく声をあげるカンナ。

不機嫌もどこへやら。

ニコニコ顔で、手に取ろうと指を伸ばす。

しかし、次の瞬間その表情が固まった。





「??なに、こ・・・?ひっ!?」

「カンナ!?」




伸ばした手をひっこめながら叫ぶ。




「どうした!?」

「た、大河!秀!悠斗!こ、これ・・・!」

「こりゃあ――――・・・!?」

「・・・・嘘だろう・・・」

「マジ!?」





カンナの指さす先を見て、野郎3人共もヤバいと思う。




「瑞希先輩・・・!」




仲間を代表して、目にしたヤバいものについて大河が口を開く。

聞こうとする前に、これを用意した人間が言った。




「今度会ったら、渡してやれ。」




赤いリップでもつけているような唇が紡ぐ。





「それがないと、卒業式で困るかもしれないだろう?」





華やかなマカロンの隣に、ボタンが1つ置いてあった。




「今でもあんのかなぁ~『第二ボタン下さい』とか?まぁ、どれが2番目かどうかはわかんないが、どれかがそうだろう?」




瑞希が語る。

その言葉通り、すべてのカップにマカロンと一緒に飾られていた。






「こ、これ!あたしらを襲った奴らの学ランの――――――!?」


「安心しろ。」





薄らと開いた唇が動く。

可愛い顔で、優しく彼はささやく。






「オメーらと『凛道蓮』は、ムカンケーだって、ちゃんと話を流しといてやるから・・・。」

「~~~!?」


「「「・・・・っ!」」」





そう静かに告げる瑞希に、カンナは身震いする。

秀も悠斗も青い顔になり、大河は唇をかみしめる。





(相変わらず、不気味なぐれーおっかねぇーわ・・・真田瑞希・・・・)





見た目とは反する凶暴さが見え隠れるする顔。

リアルに体感する恐怖。

そのボタンをどうやって手に入れたのかわからない。

喧嘩の現場を見られたのは間違いないが・・・






「さびくせー・・・」





そう口に出して、出されたボタンを見る大河。


からかすかに漂うサビ鉄の香り。



これは血の臭い。


ボタンの持ち主の体液。



本能的にわかった。

この臭いをつけたのが、目の前の男だと。


初代『龍星軍』総長・真田瑞希。


彼がやったのだと、大河達にもわかった。