彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





(瑞希お兄ちゃんを探し始めて6年・・・もうすぐ7年がくるけど。いそうにないんだよね・・・)


まったく見つかる気配がしない。


こういう時、いつも思う。




どうして、9歳の私は【瑞希お兄ちゃんのこと】を聞かなかったのか。





(瑞希お兄ちゃん自身のことを聞かなかったのか。)





魔法使いがいれば、探すのを協力してもらえるのにな。

いや、そんな夢を見るならば、探偵に依頼した方がいいよね。

ぶっちゃけ、そうしたいけどさ、未成年の依頼はダメだって言って受けてくれなかったんだよね。



だからやっぱり―――――――――






(自力で探すしかない!)





それが結論。

これが現在の私のやるべきこと。



今、彼がどこにいるのか。

なにをしているのか。

全く知らないまま、瑞希お兄ちゃんとの出会いを思い出だけにしたくない。






「・・・・・後悔しても仕方ない。」






何十も何百回も、瑞希お兄ちゃんに会いたいがために後悔している。

何年も・・・・まるでストーカーのように探し回っている。

他の人が聞けば気持ち悪がるかもしれない。

私がこんなことをしてると瑞希お兄ちゃんが知れば、嫌な顔をするかもしれない。

それも・・・







「それでもかまわない。」



(納得できるまでしないと、後悔に後悔の上塗りをしちゃう。)



私は会いたいだけなの。





(瑞希お兄ちゃんに会いたいだけ・・・)





――――――――――ジャア、ソノアトハ?






(瑞希お兄ちゃんに会えたら・・・?会えた後は・・・)






「私はどうしたいのだろう。・・・」




彼と再会できた時、私はなにを話す?


最初は、お礼を言いたかった。

だけど・・・時間が経つにつれ、あの人の笑い声と楽しそうな笑顔、すべてが愛しくなっていった。






「会いたい・・・・」





天を仰いでから、うな垂れた。

それに合わせ、視界で光るもの。





「あ」





闇夜で揺れるウサギ。





「手がかりも、バンダナと、『この子』だけか・・・」