その決意で、瑞希お兄ちゃんへと手を伸ばしながら言った。
「瑞希お兄ちゃんは悪くない!こうなっちゃったのは仕方ない!」
「凛。」
「これまではそうだったけど、これからはそうはさせない!二度と、瑞希お兄ちゃんにも、みんなにも、辛い思いはさせない!!」
自分でも強引だと思うぐらい、勢いよく瑞希お兄ちゃんの手を握る。
「俺が、そんなことさせない!瑞希お兄ちゃんが、そうやって二度と悩まないぐらい、俺が『龍星軍』をきちんと仕切るから!だから、瑞希お兄ちゃんは、バリスタを目指している『今』をちゃんと生きてください!」
「凛、それは虫の良いー」
「自分に都合良くて何が悪いんだよ!?瑞希お兄ちゃんも、みなさんも、何も心配しなくていいんだよ!だって、みんなの大切な『龍星軍』は俺が守るからっ!!」
「凛・・・・!」
精一杯の虚勢を張って言った。
好きな人のため、愛してしまった人を苦しめないためにも――――
「約束するよ!先代達の様な過ちは起こさない!『龍星軍』は、この4代目総長・凛道蓮が仕切る!初代『龍星軍』の以上に、しっかり漢気(おとこき)見せで勤め上げますから!!」
(私がやるっきゃないでしょう!?)
その言葉を最後に、お店の中は静かになる。
私の宣言に、みんな目を丸くしているのがわかった。
手を握った瑞希お兄ちゃんだって、薄ら口を開けて目を見開いている。
「だから、瑞希お兄ちゃん・・・・!」
離れていった手に指を伸ばす。
「俺が守るから・・・!」
瑞希お兄ちゃんの笑顔を。
「俺が立派に、守るから・・・!」
そんな顔させないから。
「俺を信じて任せてください・・・俺は、瑞希さん達に、二度と同じ思いはさせない・・・!」
「凛・・・・」
「側にいさせてよ・・・」
ありったけの愛と勇気を、瑞希お兄ちゃんにぶつける。
伸ばした指を、手を、瑞希お兄ちゃんの顔を覆っていた手に重ねる。
泣きたい気持ちを抑えて、瞬(まばたき)きもしないで、瑞希お兄ちゃんだけを見つめた。
返事を待った。


