偶然言ってしまった言葉。
だけど、それで瑞希お兄ちゃんが何も言えなくなるのがわかっていた。
「綺麗も汚いもないよ・・・・いくら、他人が汚れてるって言っても、そんなの正しくない・・・!瑞希お兄ちゃんはきれいなままなんだよ・・・!?」
「やめろ。」
今まで聞いた中で、一番低い声だった。
「違う。俺は・・・」
「瑞希!?」
「瑞希お兄ちゃん!?」
私から手を離すと、離した手で顔を覆いながら言った。
「『龍星軍』は、俺が頭を務めたチームだ・・・・。俺が、中途半端にしたせいで、大事だった後輩を何人も傷つけた・・・命まで奪った・・・俺が・・・」
「瑞希、それはー」
「違いますよ!!」
烈司さんの代わりに私が否定した。
「もういいじゃないですか!瑞希お兄ちゃん悪くないですよ!最低じゃないって、わた・・・俺はわかってるよ!?」
「・・・気づいてないだけだ・・・。」
「え?」
「凛はまだ、俺と2回しか会ってない。だから、わかってない。」
「なにに?」
「俺は、お前が思うほどーーーーーいい人じゃない!!」
「知ってる!!」
皮肉るように言う相手にそう返せば、瑞希お兄ちゃんは目を丸くする。
他の4人も同じ顔になる。
「知って、る・・・?」
「うん!だって、『俺は良い人じゃない』って、瑞希お兄ちゃん言ってたじゃん!?」
私を見つめる相手に伝える。
「自分は夜を徘徊する悪い子だって!!僕をバイクに乗せて時に言っていた!!」
そう答えたら、今度は口を大きく開ける瑞希お兄ちゃんを含めたお兄様方。
「凛お前・・・ちょっとお前が言ってることと、俺の言ってることは違~」
「違わなくないっ!!」
ポカーンとする相手の言葉を遮る。
(言わせない!)
これ以上、自分で自分をさげすむような発言を瑞希お兄ちゃんにさせない。


