彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




私や烈司さんの言葉に、下唇を噛んだまま黙る瑞希お兄ちゃん。

それを見守る3人のお兄さん(?)





「今でも後悔してんだ・・・譲らなきゃよかったってな。」

「瑞希お兄ちゃん・・・」





やっと言った一言は、いなくなった先輩のこと。

瑞希お兄ちゃんの後輩たちのこと。







「『俺らにケツ回すな』って言ったことも・・・甘えさせればよかったのによ・・・」






憂いを込めた瞳で、痛々しい顔で瑞希お兄ちゃんは言う。





「俺が、殺したようなもんだ・・・・!」






憂いが、苦悩の表情に変わる。

それだけで、私の胃が痛くなる。







「違う!」







辛そうにするかをやめてほしくて否定した。






「そんなことないよ!2代目達は、自業自得だよ!瑞希お兄ちゃんは、悪くない!」

「おま!?なに薄情なことをー!?」

「お兄ちゃんよりは、『情』はないかもしれないけど、瑞希お兄ちゃんのその気持は違うよ!!」

「違うだぁ!?」

「違うよ!彼らは、自分がやった行いが自分に返ってきたんでしょう!?こうなる未来を作ったのは2代目達なんだよ!?どうして瑞希お兄ちゃんが責任を感じるの!?」

「それは・・・!」

「違わないよね!?事実でしょう!?」




本当にそうだから。

ダメだと言ったのに、無理を押し通したのは彼らだ。

そのまき沿いで、瑞希お兄ちゃんが苦しむのはおかしい。

私の大事な人が悲しむのが許せない。





「瑞希お兄ちゃんは、できる限りのことをしたよ!2代目以降に対しても、旗を没収して無意味な争いをやめさせた!それで十分だよ!」




だから、必死で訴えた。

違うと言ってるのに・・・・





「凛・・・・・俺は・・・ずるい人間なんだ。」

「は?」

「ははは・・・つーか、ヘタレなんだろうな・・・優柔不断で、馬鹿で・・・」

「・・・瑞希?」

「ど、どうしたんですか、急に?」





瑞希お兄ちゃんの表情は暗い。


それに加え、彼の言葉に戸惑う。





(なんで急に、自分をさげすむの・・・・?)





間近にいる烈司さんを見ると、彼はそれほど驚いていなかった。

表情は変わってないけど、今までよりも難しそうな目をしていた。

それで、瑞希お兄ちゃんが話し始めたことが良いことじゃないとわかった。

そんな瑞希お兄ちゃんが私に告げる。





「俺自身がわかってるんだよ・・・凛は、俺と真逆なんだって。」

「え?」





突然、題材にされた私。

思わず、ギュッと瑞希お兄ちゃんの腕を持てば、私の手に彼の手のひらが重なる。





「散々・・・凛に跡を継いでくれって言っておいて・・・やっぱ、お前に継がせたくない。」

「瑞希お兄ちゃん!?」

「凛が危なくなるのは・・・いや、根性あるから、大丈夫だって思ってるけど・・・だけど、俺は凛を・・・!」

「瑞希お兄ちゃん・・・・?」

「どうした急に・・・?」




ギョッとして、烈司さん共々、聞けば、青い顔で瑞希お兄ちゃんは言う。







「凛を見た時・・・ああ、こいつは特別だって思えた・・・」

「と、特別!?」





ええ!?特別!?特別って言われた!?




「とく・・・!?」

「・・・ああ。」






最初の二文字しか言えなかったが、声に出す。

その声に反応して、瑞希お兄ちゃんが首を縦に振ってくれた。



やった!!


聞き間違いじゃない!!





(瑞希お兄ちゃんからの特別宣言キタぁー!!!)





やっぱり私達が再会できたのは、偶然ではなく運命(?)と思ってもいい!?




〔★凛は場違いに浮かれていた★〕