ヘビースモーカーからの意外な言葉に、彼にふれている手から力が抜ける。
それに気づいた烈司さんが口だけで笑うと、瑞希お兄ちゃんを見ながら言った。
「俺はよー・・・瑞希・・・・」
自分を掴む瑞希お兄ちゃんの手を取りながら、烈司さんは語る。
「2代目達を可愛く思ってたのは、俺ら全員同じだったと思ってる。オメーだけじゃない。けど、あいつらの家族に『恨んでやる』とか言われても、あいにく俺はどうとも思わねぇ。」
「烈司!?」
「あいつらだって、ガキじゃなかったんだ。それは瑞希だってわかったから、一代限りの解散をやめて、継がせたんだろう?結果だけ見て、悪かったって判断したら、あいつらの笑顔まで悪くしちまわねぇーか?」
「え、がお?」
思わずつぶやけば、私の方へ顔を向けながら烈司さんは言った。
「『お前らに龍星軍やる』って瑞希が言った時に見せた、2代目達の嬉しそうな面のことだ。」
「・・・っ!?」
その言葉に息を飲む。
瑞希お兄ちゃんだけじゃなくて私も。
そう言ってやわらかく笑う烈司さんが、とても大人だと思えた。
「瑞希がさーマジで4代目するなら、俺も親衛として付き合うぜ。それは俺が、お前と一緒にいて楽しいからするってことが一番の理由だ。」
「れーじ・・・」
「けどな、凛たんへの話を聞いてて、やっぱ気が変わった。『2代目達への償い』のために、無法地帯っぽくなってるここら辺シメ直すつもりなら、お前に頭は張らせない。」
「えっ・・・!?」
「あ!」
強い声で言うと、私と瑞希お兄ちゃんを引き寄せてから言った。
「懺悔(ざんげ)で総長するなら、絶対に瑞希にはやらせねぇ。」
「烈司・・・」
「凛たんを信じて、凛たんに任せろ。それが真田瑞希ができる選択だ。意味はわかるよな・・・・!?」
(わかった・・・)
烈司さんの言葉で、悔しそうな顔をする瑞希お兄ちゃん。
2人のやり取りを見て、私もわかった。
烈司さんと瑞希お兄ちゃんは、一番仲良しなんだ。
そして、烈司さんは瑞希お兄ちゃんがヤンキーに戻るのに反対してる。
なによりも・・・
「懺悔(ざんげ)なんですか・・・・?」
「凛。」
瑞希お兄ちゃんが、自分が作ったチームを引き継いだ後輩のことを思ってる。
「瑞希お兄ちゃん、2代目達のこと、後悔し続けてるんですね・・・?」
彼らを失ったことに対して、傷ついているとわかった。


