彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「凛助、イケニエはねーだろう~!?まぁ~その発想がおもしろいからいいけどよー!わはははは!!」

「え、じゃあ・・・奉仕の精神で〜!」

「それこそねーよ、凛。」

「え!?瑞希お兄ちゃん!?」



困り顔のままの好きな人が、キッパリと否定する。

彼だけじゃない。





「みーちゃんの言う通り・・・・凛ちゃん、それは違うわ。」

「モニカちゃん?」


「お前、勘違いしてるよ。出会ったばっかだから、本当の百鬼皇助を知らねぇーからさー」

「烈司さん?」


「そいつはそれほど、出来た人間ではない。人の姿をした魔物だ。」

「獅子島さんの言い分が、一番ひどいですね!?」



(真顔で完全否定された!?)





真面目に弁護したにもかかわらず、気の毒そうに否定するお兄さん方。


それで少しだけ、私もムキになったので言った。





「そんなことないですよ!百鬼さんだって、瑞希お兄ちゃんを思って名乗りを上げたんでしょう?友情があって、いいことじゃないですか!」

「わはははは!それもあるけどな!」

「え?他にもまだあるんですか?」





仲間のために動こうとした人だ。

きっと、他にも友情に熱い理由があるはず!

そう思って、百鬼に聞けば言われた。





「総長の方が、24時間ところ構わず狙われて、襲われて、戦えて、休む間もなくスリルが続いて楽しいだろう~!!?」

「ジャック・バウ●ーかっ!?」



〔★まっく仲間思いのない発言だった★〕




「ま、まさか!?それが立候補の理由ですか、百鬼さん!?」

「わはははは!それ以外あるかー!?ド本命なのによ!!」

「友情よりも戦うことが優先!?」


「当たりめぇーよ!!俺様こそ和製版ジャッ●・バウアー!!喧嘩こそ、俺様のすべてだぜ!わはははは!!」

「24時間戦う気満々かよ!?どれだけ戦いたいんですか!?」



(ほ・・・本当にこの男だけは・・・!)



自分のことしか考えてない・・・!!




(前言撤回!見直すことを、見直すわ!)





〔★凛の百鬼に対する評価は下落した★〕
〔★マイナスポイントにまで到達した★〕




「信じられない・・・これを、喧嘩好きというの・・・!?」





百鬼の自己中的な主張に頭痛を覚える。




「いや、好きって言うか、皇助の場合は喧嘩中毒だ。」

「烈司さん!?」

「特に、相手が襲って来れば『待ってました!!』とばかりに、正当防衛に持ち込んで叩きのめす。最近は減ったが・・・働き始めのころは、加減が出来なくて、『過剰防衛』って名目で、襲ってきた連中共々ポリにパクられてたけどな。」

「か、過剰防衛?」

「正当防衛の範囲を超えた戦い方したってことだ。」

「わっはっはっはっーーーー!!」

「笑い事ですかー!?」


(本当にこの男だけは・・・!)



「まさに、今流行りの少女漫画に出てくる俺様男子だろう?」

「多分、百パーセント違います。」

「辛口コメントだな?」





そう告げる烈司さんの顔は、もうメンチを切っていない。

むしろ、私をニラんでいた眼を緩め、私と同じ様な表情。

百鬼の笑い声をよそに、烈司さんは語る。





「まぁ・・・・今となっちゃ、これは仮想のお話だ。凛たんが来る前までは・・・そういう考えで、俺らはいたけどな。」

「みなさんには申し訳ないですが、シナリオとしては、実現しなくてよかったです・・・」

「ははは!申し訳なく思うことねぇーよ!ぶっちゃけ凛たんの言うことが、花丸付きで正しいんだ。」


「え?」


「おい、烈司!?」





何か言おうとする瑞希お兄ちゃんを手で制すと、新しい煙草を口にしながら男前は言った。