彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




私の問いに、フッとあざ笑う瑞希お兄ちゃん。

同時に、私に向けて言葉を発する。





「そんなキレイなもんじゃねぇよ。美化するな。」

「美化じゃないよ!そんなこと考えてたんですか・・・!?本気で、上手くいくと思ってたんですか・・・?」

「上手くいかせるもんとして、考えてたんだ。」





動揺しつつも聞けば、はっきり言われた。





「別に・・・真面目にヤンキー活動しようって、つもりはねぇよ。ただ、籍だけおいておけば、『龍星軍』の跡を継ぎたいって馬鹿は減るだろう?」

「瑞希お兄ちゃん!?」

「円城寺に継がせて、また1年前と同じようなことにならないとも限らねぇ・・・!同じ間違い起こしちまう可能性があるなら、確実になにも起きない方を選ぶだろう。」

「だからって、瑞希お兄ちゃん・・・そのために、総長に戻るってーーーー!?」

「俺ならキレイに終わらせられる。今度こそ、きれいさっぱり解散する。」

「そのために、バリスタの修行と並行してヤンキー活動もするというんですか!?」

「そうだ。つーても、バリスタはサボりがちになると思うけどな。」

「なにを中途半端なこと言って・・・!?」

「半端はしねぇ。上手くやる。」

「本当に!?本当にできるんですか!?」



「できないだろう。」



「烈司さん!?」

「れーじ!?」






私の質問を否定したのは、ご本人以外の人。

私と瑞希お兄ちゃんがその名を呼べば、呆れ顔で烈司さんは言った。





「今は大人しくしてるが、俺らも敵が多い。頭してた瑞希は特にそうだ。」

「え!?だめじゃないですか!?」

「余計なこと言うな烈司!凛、変な心配するなよ!?」

「ばーか、事実だろう?いいか、凛たん。こいつは、最初に努めた店をクビになった理由、なにかわかるか?」

「え?瑞希お兄ちゃんでも、クビになるんですか?」

「なったんだよ。『龍星軍のゴレンジャーのリーダーにお礼参りだ!』って言って、やってきた馬鹿共と喧嘩してクビになったの!」

「ええ!?」

「れーじぃぃぃぃ!!」

「ほ、本当ですか烈司さん!?」





ギョッとして聞き返せば、ウィンクしながら言われる。





「瑞希に聞きな。」

「瑞希お兄ちゃん!!」




これに瑞希お兄ちゃんは・・・





「ぐ・・・か、返り討ちにして、追い払えたからいいんだ・・・・・!」


(本当なんだ・・・お礼参り。)





〔★真実だった★〕





ばつの悪そうな顔で、認めた瑞希お兄ちゃん。

それで私のダメ出しに、拍車(はくしゃ)がかかった。





「だめじゃないですか、それ!?全然大丈夫じゃない現実しか、ないじゃないですか!?」

「くっ・・・いいんだよ!俺は自業自得だから、いいんだ、凛!」

「そうそう。現在は、その時の教訓をもとに俺らで対策を取ったから、襲撃する輩はいなくなったからなー?」

「烈司!しゃべりすぎなんだよ、黙れ!」

「うるせー!オメーは何でも一人で抱え込み過ぎなんだよ、瑞希。」





親が子供を叱るように言うと、煙草を灰皿に落としながら男前は言った。





「凛たんが現れるなんて予想してなかったからよぉ~再結成はもちろん、今度は俺が頭張ってやろうと思ってたんだぜ。」

「烈司さんがですか!?」

「おう。一番マトになるのは、総長だからな?」




〔★喫煙者に優しい、リーダー誕生の予感だった★〕