彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「最初は、気心の知れた者同士で楽しく走ったり、軽く喧嘩する集まりだったんでしょう!?それを2代目さん達は知らなかったんですか!?」





私の問いにみんなを代表して、ばつが悪そうに烈司さんが答える。





「知らないことはねぇーと思うけど・・・」

「だったら、なおさらひどいよ!!」





予想通りの答えを受け、思わず熱くなった。





「瑞希お兄ちゃんや、みなさんが作ったチームを・・・いくら、引退して立ち入らないって言っても・・・死者まで出して・・・!ひどい!」

「凛助ぇー・・・」

「凛ちゃん。」

「凛たん・・・」

「・・・凛道。」






瑞希お兄ちゃんが大事だったものを。






「それをめちゃくちゃにするなんて、どうかしてる!なにか、止められる方法はなかったんですか!?」


「だから『龍星軍』を取り上げた。」






怒る私の耳に、ひどく冷静な声が届く。






「あ・・・」

「二度と、馬鹿ができないように、全員ぶっ飛ばして『龍星軍』奪い返した。」

「瑞希お兄ちゃん・・・」






そう語るのは、深く暗い瞳。

うっすらと、殺気をまとった姿。

瑞希お兄ちゃんの変化に、荒ぶる気持ちも収まった。







「・・・・ごめんなさい。」

「なんでお前が謝んだよ、凛。」

「だって・・・・・」





なんで?と聞かれても答えられない。

上手く理由は言えないけど・・・・






「瑞希お兄ちゃんの方が、もっとつらいのに・・・」






そういうだけで精一杯。

それに瑞希お兄ちゃんは、ぽつりとつぶやく。






「辛いよりも、情けねぇ気持ちが大きいわ。俺らが18で引退してから、わずか1年でその有様だからよ・・・!!」

「1年?」






引退の1年後に、チームを取り上げたということは・・・あれ?

瑞希お兄ちゃんは今、20歳じゃなかったっけ?

そうなると、20-18だから・・・





「引退されてから・・・約2年ということですよね?」

「・・・・そうだよ。引退してから1年目で、『龍星軍』を終了させた。」

「じゃあ・・・強制終了させて、現在は1年経ってるんですか・・・」

「そういうことだ。」

「そんな短期間で起こったことなのに・・・。」


それなのに。





「なんで・・・円城寺君達のために、また復活させようとしたんですか?」




傷も癒えないうちから、なんで?




私の言葉に、瑞希お兄ちゃんは唇をゆがめてから言った。