彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


ありえない話にふみこむ。





「喧嘩で・・・・殺し合いになって殺すって・・・『楽しく』をモットーとした瑞希お兄ちゃんの考えとは、かけ離れすぎてます・・・!おかしいですよ!」


「おかしくない。それがヤンキーだ。」

「えっ!?」





私の言葉を、瑞希お兄ちゃんが否定する。





「凛からすれば、おかしいかもしれねぇけどよ、これが不良世界のルールだ。弱い奴は生き残れない。そこを生きて、自分達が楽しめるようにしようと思ったら、強くなきゃいけねぇーんだよ。」

「お兄ちゃん・・・」

「楽しくするって考えるだけじゃなダメだ。楽しくするためにも力がいる。知恵がいる。マジでヤンキーや族をするなら、半端な気持ちと根性じゃ務まらない。それに加え、集団行動をするわけだ。テメー1人の行動1つで、仲間にまで飛び火しちまう。」

「・・・2代目の方々は、それが原因で・・・?」





遠慮気味に声を絞り出せば、ため息まじりに言葉を吐かれた。





「どうだろうな・・・みんな死んだり、いなくなっちまったからな・・・。『真実』はわからねぇけど・・・」





そこで一度、言葉をきる瑞希お兄ちゃん。





「・・・最初はよ、誰が一番活躍するかって、競争だったんだろうな。」





そう語る瞳は、どこを見ているかわからない。

ただ、悲しそうに言ったのは、瑞希お兄ちゃんだけじゃなかった。





「名前を上げれば、俺達が喜ぶとでも思ったんだろう・・・」

「あるいは、褒めてほしかったか。」

「おかげで、取り返しのつかないことになっちゃったんだけどねー・・・」

「けっ!!馬鹿な奴らだぜ・・・!」


「獅子島さん、烈司さん、モニカちゃん、百鬼さん・・・」





瑞希お兄ちゃんに、他の四人も同調していた。

普通をよそおっているが、みんな元気がない。







「あこで、やめておけばよかったんだ・・・」

「瑞希お兄ちゃん・・・」






再度、カップを持ちながら大好きな人がつぶやく。

まるで自分に言い聞かせるように、瑞希お兄ちゃんは言った。