私達の視線に答えるように、瑞希お兄ちゃんは一度まぶたを閉じる。
そして、ゆっくりと目を開けながら言った。
「2代目総長は、敵に刺されて死んだ。」
「えっ!?」
(死んだ!?)
2度目となる『死』の単語。
まるで、さっきの烈司さんの話を引き継ぐように瑞希お兄ちゃんは語る。
「副総長は脊髄(せきずい)をやられて入院。親衛隊長は仲間庇って鑑別所行き。特攻隊長は自分の女守るために事故らされて即死。遊撃隊長は無関係の自分の家族を半殺しにされて、家族ごと街から消えた。」
「ふっ・・・2人も死んだんですか!?」
壮絶な話に私は凍りつく。
(そんなに暴走族は怖いの・・・!?)
恐怖で固まっていれば、優しく肩を抱かれた。
「族にも、ピンからキリがいるのよ。」
「モニカちゃん・・・!」
「昔は、バイクで暴走してたけど、今は徒歩で暴走族する可愛い子達もいるじゃない?凛ちゃんも自転車で登場したし~」
「い、一緒にしないでください。」
キャハハと笑うモニカちゃんのおかげで、少しだけ恐怖が収まる。
固まった体が柔らかく戻る。
そんな私を抱き寄せながら、モニカちゃんがささやく。
「最近はさ、少年犯罪も重くみられるようになってきたからいいわよ。昔は未成年が人殺しても、あんまり罪にならないから、暗殺者になる若手ヤンキーの子が多かったもん。まぁ・・・今も多いけど。」
「もしかして・・・2代目を刺したのは・・・?」
「警察の調査報告では、事故ってことになってるわ。だけど、実際は殺人を専門にしてる未成年者が狙ってやったんでしょうねー・・・・」
「えっ!?殺人を専門!?」
「そうよ。大人が殺すより、子供が殺した方が、刺す側からすれば、被害が少なくて済むってこと・・・。未成年ヒットマンがいまだに多いのは、そういう理由ね。」
「むちゃくちゃですね・・・暴走族は。」
「どちらかと言えば、半グレね~ヤクザもそうだけど、ヤクザは規制する法律ができたから、静かなものよー」
(そうだとしても・・・・)
「命まで、奪う必要があるんですか・・・!?」
のん気なモニカちゃんを前に、やっと出た言葉。


