彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)






服装にも気をつけた。

ヤンキー風のジャージで聞きまわったり、つなぎっぽいのを着て聞き込みもした。

相手に同化する。



名付けてカメレオン戦法!!



〔★凛は新技を身につけた★〕




さすがに髪の色は変えるわけにはいかなかったので、バレないように・・・時々ヤンキーの子がしている口元をバンダナで隠すというファッションを取り入れた。

こうすれば、私だとバレない。



(そういえば・・・瑞希お兄ちゃんが私の涙をふくようにって渡してくれた布・・・あれって口元を隠すためのバンダナだったんじゃない?)



瑞希お兄ちゃんもしていたと思えば・・・鼻と口での呼吸がつらくても耐えられた。

強くなるための修行、酸素の少ない登山をしているのだと思ってやっていたら慣れた。


それだけしたからには、話しかけるヤンキーも慎重に選んだ。

男ばかりだと、喧嘩やカツアゲに発展しやすい。

女ばかりだと、からかわれたり、しつこく身元を聞かれた。

だから、男女でいるグループに声をかけた。

男女でいる場合、だいたいが話を聞いてくれる。

ただし・・・・







「瑞希って名前のヤンキー?」

「わかりますか?」

「そんだけじゃね~わかる、大樹?」

「わかるかよ!俺らの先輩にゃ、瑞希って名前の人さえいねーぞ。」

「そうですか・・どうもありがとう。」





それで見つかるかと言えばそうではない。




〔★世間は厳しい★〕