彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



外へ連れ出そうとするのを阻止(そし)してくれた。






(守ってくれた・・・?)


「み、瑞希お兄ちゃん・・・獅子島さんが、会っちゃダメって・・・!?」

「そんなことさせるかよ!」






泣きそうな声で聞けば、優しい視線を私に送ってから獅子島さんをにらんだ。

無表情で私達を見る獅子島さんに、瑞希お兄ちゃんは怒鳴る。







「おい、勝手なこと言うなよ、伊織!なんで、そこまですんだよ!?」

「必要だから、瑞希!お前はコイツが可愛いらしいが、そう思うなら立場を考えろ!」

「っ!?」






厳しく言う獅子島さんに、瑞希お兄ちゃんが顔をゆがめる。






「弱いとはいえ、『羅漢』はOBを含めて数が多い。今夜のことも無理やりまとめたが・・・凛道に報復をしないはずがないだろう・・・!?」

「報復?」


「仕返しだよ、凛たーん。」





そう告げるのは、煙草をふかしていた烈司さん。





「私に仕返しって・・・私、庄倉以外は、なにもしてませんよ?」

「その庄倉をオシャカにしただろう?対象をコケにされて、部下が黙ってるか?おまけに、先代の総長達にまで手を出した・・・。」

「あ・・・」





自分のしたことを思い出して、体が固まる。





「・・・そういえば・・・庄倉以外の人を叩いた気がします。」

「あれのどこがたたくレベルだよ~!?ガチで、殺してただろう?」

「ち、違います、烈司さん!あの時は、ブレスレットを壊されて、つい・・・」

「伊織の言う通り、後先考えずに行動したのか・・・」




私の言葉に、ため息のように煙を吐きながら烈司さんは言う。





「まぁ・・・皇助がオメーを煽(あお)ったのが一番いけないけどな。」

「わーてるよ!!責任とればいいんだろう~!?」




白い目で百鬼を見る烈司さんに、見られている本人が言った。






「俺様が、凛助を守ってやればいいんだろう?」

「は?『凛助』?」


(さっきから気になっていたけど・・・・)



「それ、私のことですか?」

「オメー以外いるかよ~!?凛助ぇー!?」

「『助』というのはどこから・・・?」

「凛だから凛助!文句ねぇだろう!?」


(これだから、この男だけは・・・!)





ムカムカしながら見ていれば、不意に視界が暗くなる。





「よけいなお世話だ、皇助!!」






そう言ったのは、真剣な表情をした――――









「だったら、俺が凛を守る!!」


「瑞希お兄ちゃん!?」








私が恋する相手だった。