彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



初めてのオネェさんとの触れ合いに、困惑する。

そんな私にお構いなしで、オネェさん・・・朝霧さんは言う。





「凛ちゃん!わからないことがあったら、何でもあたしに聞いてね?凛ちゃんが立派な総長になれるように、モニカちゃん応援するわー!」



「誰が、モニカちゃんだ。」





うふふと、笑ながら私に迫ったモニカさん。

その顔へ・・・いえ、頭上にタウンページが落下した。





「ぎゃん!?」

「お前の本名は『モニカ』じゃなくて、『勘兵衛(かんべえ)』だろう。朝霧勘兵衛。」





そう言ってため息つくのは眼鏡のお兄さん。






「か、かんべえ?」

「そうだ。『モニカ』はコイツが勝手に名乗っているだけだ。なぁ、『勘兵衛』?」


「テメーっ!!バラしてんじゃねぇぞ!?」






それで鬼のような顔で、相手に掴みかかる本名は『勘兵衛』のモニカさん。

そんな相手をサッとよけながら、眼鏡のお兄さんは言った。






「最後になったが、俺は『獅子島伊織(ししじま いおり)』。初代『龍星軍』では副総長をしていた。」






冷たく言う相手に、緊張が走る。

慌てて、抱き付かれて乱れた衣服を直しながら言った。





「あ・・・これは、ご丁寧に・・・はじめまして。」





挨拶すれば、ジロッと睨みながら私を上から下まで観察する。






(チェックされてる?)



「俺の現役時代の役目は、総長である真田瑞希が不在やテレポーテーションした時の代理だ。ゆえに、総長代理も務めた。」

「不在はともかく、テレポーテーションですか?」






どこへワープすると言うのだろう・・・





「そうだ。『お前は行くな』と言っても、無視して勝手に喧嘩の起きている現場に向かう姿は・・・現場検証の刑事並だ。」

「瑞希お兄ちゃんが・・・?」

「ああ。短気を起こしてむちゃくちゃをして・・・どれだけ面倒かけられたか。」

「阿保!よけーなこと言うんじゃねぇーよ!」






顔を赤くしながら言う初恋の人。

それで事実なのだと証明された。






「あの・・・副総長と総長代理を一緒にするなんて・・・大変じゃなかったんですか?」





私の問いに、さらに目を凝らしながら獅子島さんは言う。





「そうでもない。頭を使うぐらいだからな。他がこんなのだから、やることもなく・・・旗持ちもしていた。」

「旗持ち?」

「チームの名前が刺繍された旗だ。それも知らんとは・・・本当に、素人じゃないか・・・」





ため息交じりに言うと、腕組みをする。

目線を私からそらすことなく見つめ続けた。






(そういうあなただって、ヤンキーらしくないじゃんか・・・なんか怖いな・・・この人。)





それが第一印象だった。



〔★どっちもどっちだ★〕