彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



ファーストコンタクトから、印象がよろしくない相手をにらむ。




「とても・・・わかりやすいヤンキーさんですね・・・」

「あん?公務員にでも見えたか~?」



「きゃははは!無理無理!皇助は良くて、ヤクザにしか見えなーい!」





明るい声と共に、背後から爆笑が起こる。




「いつまで凛ちゃんにへばりついてんだよ?どきな。」


「うおっ!?」

「えっ!?」





そんな言葉と一緒にいい香りがした。

瑞希お兄ちゃんが純白なら、その香りは妖艶。





「はぁーい、凛ちゃん!はじめまして~」



「あ、あなたは・・・?」

「痛ってぇー!?」




ひっくり返る百鬼を足蹴にしながら、綺麗なお兄さんは笑う。

どうやら、彼が私から野獣を引きはがしてくれたらしい。




「可愛い瞳~お肌もつるつるで、何よりもお顔があたしの母性本能をくすぐるわー!!」

「あのー・・・貴方はどういったお方で・・・!?」




女言葉でしゃべりながら、くねくねと動く綺麗なお兄さん。

呆然としながら聞けば、私のあいている隣に腰かけながら言った。





「はじめましてー!あたしは、朝霧モニカよ♪初代『龍星軍』の遊撃隊長でーす!」

「ゆ・・・遊撃?」




あまり聞かない役職。

名前もモニカだし。

その綺麗な人は、マスク越しで私のほっぺをプ二プ二しながら言った。



「そうよん!『遊撃隊長』っていうのは、文字通りの遊撃、奇襲に迎撃をするの!その時々で対応する神出鬼没のゾッキーよ!」

「へぇ・・・忍者みたいな感じですか?」

「やだぁ~発想も、かーわーいーい!そんな感じよー!」




犬や猫を扱うようになでなでされた。

同じしてもらうなら、瑞希お兄ちゃんが良いな・・・

私の願望をよそに、ご機嫌で相手は言う。




「ほらぁ~暴走族する子って、肩書とかつけたくなるでしょう~?大体は、頭である総長決めたら、他はどうでもいいって感じなのよ。」

「え!?じゃあ、どうして皆さんには肩書があるんですか?」

「若かったからねぇーうち人数少ないけど、バリバリしてたからねぇ~」

「あの・・・参考までにお伺いしますが・・・」




どんどん密着する相手に、怖々聞いた。





「あなたは・・・・『お姉さん』でよかったでしょうか・・・?」




(オネェ・・・だよね?)






言葉遣い、仕草、態度。

男の娘?とは違う、男ではなさそうな綺麗な人。

そう判断した上での質問。

ところが、私がそう聞いた瞬間、ニコニコしていた相手がカッと目を見開く。