彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




ゆれるゆれる。

フワフワとした気持ち。

持ち上がる身体。

覚えのある匂いに、段々と意識が戻ってくる。

頭をなでられた気がして、目が覚めた。




「じゃあな、捕まらないようにな!」


「ありがとうございました。」

「サンキューおっさん!」

「ありがとうございます。」

「おじ様~ありがとっ!」


「あざーすっ!!」


「・・・?」



目を開けたらまぶしかった。

反射的にあけた目を閉じる。

側で、聞きなれた声がして、もう一度目を開けた。



(・・・・なに?)



最初に飛び込んできたのは、サラサラの髪の毛。

首と後ろ頭。




(・・・・・後姿?)




頭を動かしたら、目の前の頭も動いた。





「お?凛、起きちゃったか?」

「瑞希お兄ちゃん・・・・?」





振り返ったのは大好きな人。

穏やかな顔で私を見ている。

その背後には、朝日を浴びた4つの影が見えた。

道路に向かって手を振っている姿。

遠ざかっていくトラックの後ろ。




「・・・・どうなってるんですか?」

「そこは普通、ここはどこだろう?」




私の問いにクスッと笑うと、顔をこちらに向けたまま、目だけで前を見ながら言った。




「今な、家までおっちゃんが送ってくれたんだ。」

「おっちゃんが・・・・?え!?帰ったんですか!?」




それでぼんやりだった意識が、かなり戻って来た。




「僕、お別れの挨拶とお礼してないです!」

「そう言うと思って引き止めたんだけど、『例は言ってくれたし、気持ち良く寝てんの起こすのはかわいそうだから起こすなっ!』て、怒られてな・・・・ごめんな?」

「え!?い、いえ!瑞希お兄ちゃんが謝ることないですよ!」




まさかの謝罪に、ブンブンと両手と首を横に振って気付く。





(あれ?もしかして私・・・)



「おんぶされてる・・・・?」

「抱っこは無理だろう?オメー、でっかくなったんだから。」




呆然としながら言えば、呆れたように言われた。



「あの時は、小さかったから抱っこしたんだよ。つーか、世間的にもお前をだっこするのはアウトだ。してほしいのかよ?」

「ええ!?違います、違います!」

(してほしいけど、そう言う意味じゃー!)




〔★やられてもいいらしい★〕