彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)






「俺は、凛が大好きだ。」

「っ!?」




思わず、目隠しされたままの状態で彼の方を見る。

それに合わせて、まぶたの上の手が離れた。




「凛のこと、大好きだ。凛は?」




やわらかく、初めて声をかけてくれたように、優しく告げる。




(ずるい・・・・・!)




嬉しいけど、悔しくて、でも嬉しい。





「大好きだよ・・・・この世で一番、瑞希お兄ちゃんが好き・・・・!」

「甘えん坊が。」




本当に、どちらともなく、私達は抱き合った。




「うっぐっ・・・・ひっく!」

「こら。なんで泣くんだ、あまったれ?」

「らってぇ・・・お兄ちゃん・・・うっうっ・・・!」

「よしよし。もう寝ろ。起きても俺はちゃんといる。凛は、ちゃんと約束守った。マジで、体も心も強くなって・・・・俺のとこに帰ってきたからな。」

「瑞希お兄ちゃん・・・・」

「おかえり、凛。」




私を抱きしめながら彼は言う。




「まさか・・・あん時のガキが、こうやって会いに来て来るとはよぉ・・・。俺に懐いて、慕って・・・・この数か月、驚かせられっぱなしだ。毎日が、すっげー楽しい。」

「迷惑・・・・かけてない?」

「かけてねぇーよ。」




ギューと強く抱かれる。





「凛とまた会えてよかった。」

「―――――――――――瑞希お兄ちゃん。」





それで私も、瑞希お兄ちゃんの両手に腕を回して抱き付く。

すがりつく。

そんな私の背中や頭を、優しくなでる瑞希お兄ちゃん。

子猫や子犬でも、こんなに気持ちよくなでられないだろう。

温かいぬくもりと、心地よさで、自然とまぶたが閉じる。





「おやすみ、凛。ゆっくり休め・・・・・」

「うん・・・・・・・」





瑞希お兄ちゃんの言葉に、ちゃんと返事をできたかわからない。

でも、なんとなくだけど、彼はわかってくれた気がした。

だから、安心して身を任せて眠りへと向かう。






「・・・・・良い兄弟だな?」

「そうっすよ。俺も凛も、ブラコンですからね・・・・。」






大好きな人の腕の中で聞いたかもしれないやりとり。

瑞希お兄ちゃんとおっちゃんの会話を最後に、深い眠りに落ちた。